子宮の下部(頚部)に発生する「子宮頚がん」は国内で毎年約1万1千人が罹患し、約3千人が亡くなっている。近年は20代から30代の若い世代で増加しているという。
妊娠前に子宮頚がんに罹患して手術が必要となり子どもを持つことができなくなったり、小さい子どもを持つ母親が罹患して亡くなったりというケースがあり、「マザー・キラー」とも呼ばれている。
子宮頚がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染といわれている。ライフメディカル健診プラザ婦人科の武居麻紀医師は「ワクチン接種での予防と子宮頚がん検診での早期発見を組み合わせれば、大変な治療で苦しむ方や亡くなる方を限りなくゼロに近づけることができる」と話す。
子宮頚がんワクチンは、2022年度から定期接種として積極的接種勧奨が再開された。公費助成対象は接種期間中に小学6年生から高校1年生相当の女性。
接種勧奨が差し控えられていた2013年度以降に対象年齢で接種機会を逃した人に対してキャッチアップ接種が認められており、1997年4月2日から2007年4月1日生まれの女性が対象。武居医師は「キャッチアップ接種は2024年度までに限り行われる予定です。半年かけて3回接種が必要ですので、遅くとも今年の夏頃までに開始しないと公費助成が受けられません。実費では非常に高額なワクチンですから、気になる方はぜひご相談ください」と呼びかける。
同プラザでも、藤沢市と綾瀬市在住の女性に対して公費負担の定期接種とキャッチアップ接種に対応している。
検診「ためらわないで」
子宮頚がんは進行するまで症状がほとんどないため、早期発見にはがん検診を受けることが重要。「検査は痛みも少なく短時間で済みますが、内診の検査なので受診をためらう方が多いようです。不安を少しでも軽くしたいとウィメンズセンターでは女性専用フロアで女性スタッフによる検診を行っております」と武居医師。同プラザでの乳がん検診(マンモグラフィ・乳腺超音波検査)も女性スタッフが対応。「これからも相談しやすい環境づくりに取り組んでまいります」と話す。