「独りで悩まず、居場所カフェでつながって」–。不登校・ひきこもりの子を持つ市内在住の小林怜奈さんが、「居場所カフェLUANA」を1月15日にオープンした。「当事者やその保護者が安心して気軽に悩み相談や情報交換をできる場にしたい」と小林さんは話している。
カフェがあるのは、閑静な住宅地が広がる粟田2丁目。一軒家の離れを改装したこぢんまりとした店内で、ランチやスイーツなどを提供しながら、様々な理由で「学校に行かない選択」をした親子の居場所として地域に開いている。
小林さんも中学1年と小学5年の子どもを持つ母親。ともに小学1年で不登校となり、ひきこもりの生活を送っている。接し方に悩んだり、周囲と比較したり。「学校や行政、家族にさえ話せないこともあった」と語る。「当事者だから理解や共感できることがある。私以外にも似た環境の人はきっといるはず」。家庭でも学校でもない、心を休める居場所を作りたいと構想を温めていた矢先、同地で営業していたカフェが閉店し、新たに借り手を探していることを知り一念発起した。
「来店を諦める障壁にしたくない」と、メニューの価格を可能な限り下げ、誰でも気兼ねなく利用できるよう門戸を広げた。今後はお話し会やワークショップなども開いていくほか、一般客の来店も歓迎している。
現在は小林さんが1人で切り盛りしているが、「ひきこもり当事者の就労支援の機会も創出したい」と展望を話す。その時の体調や心の状態に応じて、1日1分から2時間までの緩やかな勤務体系を設け、接客や調理補助を担ってもらうことで外出するきっかけや自信をつけてほしいという。
住所は粟田2の34の15(松本邸内)、営業は毎週月曜・金曜の午前11時から午後4時(4〜9月は5時)まで。運営ボランティアや活動費の支援も随時募っている。
問い合わせは小林さん【携帯電話】090・4822・4475/【メール】lena.kobayashi222@gmail.com