多摩区菅馬場1丁目8番付近の市道脇にある用水路上にこのほど、蓋がかけられ、歩行者専用の通路となった。この市道は、近隣の小中学生が登下校に利用するなど歩行者の通行が多い一方で、幅員が狭い上に車両も多く通るため、水路への蓋がけの要望が地元から繰り返されていた。
児童・生徒も利用する道路
府中街道の塚戸交差点付近から中野島駅方面へ延びる市道菅馬場33号線の脇には、菅馬場1丁目8番から6番までの約250mの区間に、1・6m幅の用水路が流れている。開渠(かいきょ)構造で、転落防止の柵は設けられているものの、水路に沿った道路の幅員は2mと狭く、車両通行時は2カ所の退避所以外での歩行者や自転車のすれ違いが困難だった。この道路は近隣にある東菅小学校の児童や中野島中学校の生徒も登下校に利用しているため、地元の菅町会にも学校側から対応についての依頼が寄せられていた。
2012年から要望
用水路を管理する市は、2012年10月と15年3月に地域住民から蓋がけの要望を受け、15年度に水路上に退避所2カ所を設置。その後、18年9月に菅町会から、蓋をかけて歩道を設置してほしい旨の要望を受けると翌年2月、整備に向け検討すると回答した。
第1期は64m
工事にあたり、20年度に市が近隣住民に聞き取り調査を行ったところ、防犯上の問題や水路横にあった水田のかんがいへの影響が浮上。整備は一時中断されていたが、その後、町会内で合意が取れた。23年度の市予算に第1期工事のための費用が組み込まれたことから2024年2月に着工。約1カ月の工事期間を経て、まずは64mの区間にコンクリートの蓋が設けられた。車歩道の境界部にはポールも設置された。
地域住民からは「小学生が悠々と歩けるようになった」と喜びの声があがっている。菅町会の濃沼健夫会長は「今回実現したのは半分ほどだが、長年の要望の一部が実った。菅の将来を担う小学生、中学生をはじめ、歩いていて危険を感じていた皆さまが安心して通行できるようになり、大変良かった」と話した。管轄する多摩区道路公園センターによると、2024年度以降、第2期の工事が進められる見込みだという。同センターの担当者は「子どもたちや地域住民の安全確保のため早期に進めていきたい」と話している。