「横浜関内ファミリークリニック」は精神科に特化した在宅医療を提供しています。精神科在宅医療とは?「心の病を1人で抱え込まず、SOSを出せる社会を目指している」というクリニックに迫ります!
在宅医療とは?
在宅医療とは、病気や体の衰えなどにより病院への通院が難しい患者に対して、医師や看護師などが自宅や施設など患者の生活する場所に訪問して診察や治療、健康管理などを行うことをいいます。
どのような疾患の方が利用している?
横浜関内ファミリークリニックは在宅医療の中でも精神科に特化し、病院の受診が困難な人に医療を提供しています。
主に統合失調症、うつ病、認知症、発達障害があり、1人で外来受診が難しい方が利用しています。「ひきこもりで受診ができなくなった」「外に出るのが怖い、パニックになる」「今までは受診できていたが急にできなくなった」など、理由もさまざま。18歳~高齢者まで幅広い年代の方が診察を受けています。
診療内容は?
- 精神疾患があり、通院困難な人の在宅医療
- 精神疾患に伴う内科的疾患などの一般内科診療
- 統合失調症やうつ病などがあり、精神科治療が必要だが病識がない人への診療
- 物忘れが気になる、迷子になってしまうなど高齢者に特有の悩みを持った人の診療
- 寝つきが悪くよく眠れない、食欲がなく疲れやすいなどの体の不調感ややる気が出ない、憂鬱、イライラして落ち着かないなどの心の悩みを持った人の診療
また、薬の処方や在宅でのデポ剤(特効性注射剤)の管理を行っています。
24時間連絡体制を整えており、夜間土日祝日も発熱などがある場合は診察に来てくれます。
精神科訪問看護にも対応
患者さんが家庭や地域で安心して生活できるよう、精神保健福祉士や看護師、作業療法士などが医師の指示のもと、定期的に訪問する精神科訪問看護のサポートも受けられます。心身の健康状態の観察とアドバイス、不安や悩みごとの相談、服薬管理、日常生活の自立支援などを行っています。
利用の流れは?
電話で相談
本人や家族からだけではなく、関係者からの相談も受け付けています。
相談員が訪問、ヒアリング
初回は医療相談員が訪問。今困っていること、辛いことなどを聞き、内容を担当医に伝えます。
訪問時は白衣を着ず、車には病院のロゴマークなどもつけていません。周りの目を気にせず自宅などの生活空間で安心して診察してもらえます。
担当医が往診
相談内容を踏まえ担当医が往診し、診療を開始します。定期的に医師や訪問スタッフが往診に来ます。結果により、訪問診療、訪問看護を組み合わせます。
対応エリアは?
横浜市中区・西区・南区・神奈川区・磯子区の一部・保土ヶ谷区の一部など広範囲に対応してくれます。
法人本部長の作間聡さんと精神保健福祉士の早川貴典さんに聞いてみました!
在宅医療をはじめたきっかけは?
横浜関内ファミリークリニックを運営する医療法人心翠会はグループで約30年、精神科の在宅医療を提供しています。元々は外来のクリニックで始まりましたが、当時の理事長が「地域に外来に来れず、困っている方がいるんじゃないか」と考えて在宅医療を始めたとか。精神科どころか、内科の在宅医療もない時代。受診できず困っている認知症の高齢者の診察を中心にスタートしました。その後は時代の変化にあわせてさまざまな需要が生まれ、幅広い相談が増えていったそうです。
医療法人心翠会のビジョンは「もっと元気」
精神障害を有する人を医療的な観点からサポートすることにより、患者をもっと元気にすることはもちろん、家族、支援者として患者を支える人、従業員も含め地域全体がもっと元気になるよう取り組んでいるそうです。
取材を終えて
「今後、グループとしては数年で10拠点を目指しています」と作間さんは話します。
「受診ができず困っている方を医療につなげ、地域で安心した生活ができるようにサポートしたい」という思いで、精神科在宅診療の発展に取り組んでいます。
横浜関内ファミリークリニックでは、自分が心から安心できる環境で、誰に相談したら良いか分からない悩みや不安を聞き、診療してくれるということがよく分かりました!