「管理不全空家」などの新制度を計画に
川崎市は、新たな空き家対策を推進するための「第2期川崎市空家等対策計画」の改定案について7月12日まで、市民から意見を募るパブリックコメントを募集する。国が「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」の一部を改正したことに伴い、「管理不全空家」などの新制度を計画に盛り込む。
2018年度の調査によれば、市内には約7万3800戸の空き家があり、このうち一戸建てが6800戸、共同住宅などが6万7千戸ある。これまで「空家法」では、倒壊など著しく保安上の危険性がある空き家や、衛生上で著しく有害となる空き家などを市区町村が「特定空家」と認定することで、所有者に適切な管理を求める「助言・指導」や「勧告・命令」を行い、固定資産税の軽減措置を解除し、悪質な場合は過料を課すなどの罰則が適用されてきた。
2023年12月「空家法」の一部が改正
しかし全国的に空き家の増加に歯止めがきかないことから、国は2023年12月に「空家法」の一部を改正。これまでは「特定空家」に認定される以前は行政が対策を講じられなかったため、手前の状態を「管理不全空家」とみなし、この段階から指導・改善を促せるしくみに変更した。
市に「管理不全空家」と認定されても指導に従わず「勧告」を受けた場合、「特定空家」と同様に固定資産税などの税制優遇が解かれ、3〜4倍の税金が課される。
また所有者不在の物件の処分を決められる「財産管理人」についても、相続予定者などの「利害関係人」か「検察官」だけだったが、「空家法」の改正により、ここに「市区町村」が加わった。自然災害などに伴い緊急に解体する必要が生じた場合、行政による強制撤去が可能になった。
予防の部分を一層手厚く
市はこれらの法改正部分を「対策計画」に反映し、空き家対策を推進していくという。市の担当者は「これまでの『対策計画』でも予防に重点を置き、空き家活用のマッチング制度や、解体見積もりサービスの実証実験などを続けている。計画の改定で、予防の部分を一層手厚く講じていきたい」と話している。
計画案は市役所2階のかわさき情報プラザや各区役所の市政資料コーナー、図書館などで閲覧できる。
問い合わせは市住宅整備推進課【電話】044・200・2253。