この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです
今回は「健診」と「検診」の違いについて皆さんにお伝えします。前回の連載で「学校歯科健診」を「検診」と間違えて記載していましたので、訂正の意味も込めて2つの漢字の使い分けをご説明します。
「歯科健診」とは歯の健康状態を調べるために、国や行政が実施する検査のことです。例えばこの時期に行われる学校健診や、横浜市では1歳半と3歳に行われる乳幼児歯科健診、妊婦歯科健診、会社での定期健診などはこれにあたります。「目でみて分かる範囲」の異常を見つけ、歯科医院の受診を勧めたり、保健指導を行うことを目的とするのが「健診」です。行政から委託される「健診」は、主に地域医療に貢献する歯科医師会会員の慈善活動によって行われています。
「歯科検診」とは、歯科医院でむし歯や歯周病、口腔がんなどの異常を早期発見、早期治療する目的で行われる検査のことをいいます。「健診」と異なり、精密な検査ができる設備や機器が充実しているので、より正確に発見できます。
健診はあくまでも病気があるかないかの大きなふるい分けで、確定的な診断を下すものではありません。健診で異常がないと診断されても、歯科医院での検診でむし歯などが発見されるケースは多々あります。
健診で問題ないからと放置せず、普段から歯科医院で検診することで早期発見、早期解決につなげましょう。