部活縮小の受け皿にも
「中学の先生の負担を減らし、バスケが好きな中学生の活動の受け皿になれたら」-―。松陽高校の体育館で今春、中学生を中心としたバスケット教室が開講した。月2回のペースで続けており、かつて同高バスケ部を全国常連校に押し上げた代表の阿部哲也さん(72歳/松陽高非常勤講師)は「活動が地域への恩返しにもなったら」と語る。
6月8日土曜の夕方6時。松陽高バスケ部の練習が終わった後の体育館に、部員と入れ替わるようにして大人たちが集まってきた。バスケット教室「セカンド松陽」の運営メンバーは松陽バスケ部OB・OG。恩師である阿部さんの思いに賛同して協力している。
阿部さんは1975年から91年にかけて同高のバスケ部顧問を務め、全国大会には7度出場。定年退職後は県立高校で非常勤講師を続け、昨年から再び松陽に戻ってきた。「かつて良い時代が築けたのは、生徒・保護者はもちろん、中学校や小学校の指導者のおかげ。その恩を返したかった」と思いを語る。
現在、中学校の運動部は平日の活動時間の制限や週2日以上の休養日を設けるなどの指針が示されている。部活動のあり方が見直される中、「セカンド松陽の活動が、中学の教員の皆様や子どもたちの受け皿にもなっていけたら」と阿部さん。
「明るく元気に」
4月から始まったスクールには中学生を中心に毎回25人以上が参加。指導者の一人で11期生OBの本田守さんはかつて阿部さんのもとで全国大会にも出場し、現在教員を務める相模女子大中高ではバスケ部顧問を務めた実績も。基本的な技術や考え方などの指導のほか、ユニークな練習も取り入れ、体育館には活気と笑顔があふれていた。
港南区の中学生の保護者は「今は部活の朝練もない。ここでは学校の違う子ともバスケを楽しめてるよう」と話す。
継続的な活動をめざし、月会費は1000円。体験は随時受け付けている。問合せはメール(【メール】secondshoyo2024@gmail.com)のほか、X(旧ツイッター)でも情報発信している。