積雪の重みから樹木を守るために設置される「雪吊り」が、この冬も信松院(台町)の庭園に設置された。
北陸や東北地方などの雪深い土地で見られるもので、都内に先駆けて雪が降ることで知られる八王子市内でも設置する庭は珍しい。同院では訪れた人に「冬の風物詩」として楽しんでもらおうと毎年取り付けている。
雪吊りの本場・石川県から招いた職人の指導のもと、滝山町の(株)鈴木造園が12月7日から8日にかけて作業を行い、園内の松と梅の木に取り付けた。支柱の竹は境内の裏に自生しているものからなるべく真っすぐなものを選んで切り出し、縄は石川県で使用されているものを持ち込んだ。
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高所での作業
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竹を加工して支柱に
同社の安川美智太専務は「都内で雪国のような大雪になることはあまりないが、こちらの雪は水分を多く含んでいて重いので、こうして備えておけば、いざという時に木も楽ができる」と語る。寒い日の早朝には、縄に白い霜が降りて幻想的な美しさを見せることもあるという。
設置は来年の3月末頃まで。