東京や横浜から電車やマイカーで1~2時間ほど。箱根や富士山、真鶴半島を背景にキラキラと輝く相模湾―。ここは小田原漁港。神奈川県西部の水産物流通の拠点「水産市場」があり、最近は観光スポットとしても人気上昇中です。いざ、小田原漁港の魅力を徹底リポート!
【コンテンツ】
◎小田原市水産市場には、新鮮な地魚がいっぱい
◎港町風情を満喫―。海鮮グルメのお食事やお買物も
◎森が育てる?ドン深?小田原の魚のヒミツ
◎海の迷路「定置網」
◎小田原漁港に行ってみよう
◎【小田原漁港周辺ガイドブック】
小田原市水産市場には、新鮮な地魚がいっぱい
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早朝の小田原市水産市場。漁場から帰ってきた漁船から、獲れたての魚が次々と水揚げされる
漁港内にある小田原市水産市場。正式には「小田原市公設水産地方卸売市場」といい、原則日曜日、水曜日を除く週5日間、早朝にセリが行われます。相模湾で獲れたばかりの活魚・鮮魚はもちろん全国から送られてくる水産物がずらり。魚の目利きのプロが次々と買い付けていきます。
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市場にずらりと並ぶ鮮魚
生の迫力を間近に!大人気の「セリ市見学と漁港の朝メシツアー」
小田原漁港で毎回大好評の人気企画、その名も「セリ市見学と漁港の朝メシツアー」。通常は関係者以外立ち入り禁止のセリをツアー参加者だけに特別公開!活気あふれる生の現場を仲買人の解説付で見学でき、さらに朝獲れ地魚を中心にした「漁港の朝メシ」付きなんです!毎回変わるメニューとインターネットでは得られない情報を、ガイドの仲買人から聞くことができるのが人気の秘密です。事前予約制なのでホームページで開催情報をチェックしてみて!
迫力あるセリを間近で見学できる
セリの様子はユーチューブでも見られます!
港町風情を満喫―。海鮮グルメのお食事やお買物も
「ぜひ多くの方にお越しいただき、小田原の魚の魅力を知ってほしいですね」とほほ笑むのは、老舗魚商「鮑屋」の18代目当主・市川将史さん。漁港エリアの活性化に取り組む「小田原地魚大作戦協議会」の副会長でもあり、小田原漁港の魅力を知り尽くす一人です。
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小田原地魚大作戦協議会の市川さん
漁港エリアおすすめポイント
- 港町風情が漂う街並み
どこか懐かしいレトロな街並み。新しい店舗も増えています
- 鮮度抜群の海鮮グルメ
- バラエティ豊富なお土産
水産市場の周りには、どこか懐かしい佇まいの飲食店や土産物店が並んでいます。地元住民や漁師に愛されてきた食堂はもちろん、地魚のお刺身や海鮮丼、小田原名物のアジフライ、海鮮焼などお店もいろいろ。お買物も鮮魚や干物、魚介おつまみなどココだけの逸品も。
- 新鮮な刺身とタレが沁み沁みの煮魚の定食
- 衣はサックリ、身はフワフワの小田原名物「アジフライ」。揚げたてを食べ歩きも楽しい
- 鮮度抜群の小田原のアジと、マグロの刺身盛り合わせ
森が育てる?ドン深?小田原の魚のヒミツ
仲買人や鮮魚店など“目利き”から「味が良い」と評価される小田原の魚。さて、その理由は何でしょうか?
小田原を流れる酒匂川や早川は、箱根や丹沢の森からの養分を海に運びます。また小田原沖は、急に深くなる「ドン深」といわれる地形。10㎞ほど先は水深1,000mにもなります。豊かな森の養分と深い海の栄養水が、黒潮と混ざり、海中には餌のプランクトンが豊富になり、それをたっぷり食べた魚だから「脂がのって美味しい!」という訳です。
- 小田原市の上空写真。森の養分が川の流れで海に運ばれる
- 沖で急に深くなる相模湾の海底地形。相模湾は“日本三大深湾”のひとつ(神奈川県HP「相模湾の漁業」より)
獲れる魚種の多さも日本有数
小田原漁港は、主なものでも約60種類が水揚げされる魚種の多さも特徴です。代表的な魚と、少しマニアックながらおすすめの魚もご紹介!
- ヤマトカマス:カマスは小田原の夏から秋を代表する魚。刺身、塩焼き、フライでどうぞ。
- マアジ:味が良いことが名の由来とも。アジは「小田原市の魚」に制定されています。
- ムロアジ:旨味が強く、小田原の魚屋さんの中には「マアジより好き」という人も少なくないそうです。
- ヘダイ:口がへの字に見えるから「ヘダイ」。鯛の中でも脂の乗りが良く刺身は絶品!
海の迷路「定置網」
一本釣り、巻き網、底引き網など、魚を獲る方法はいろいろある中で、小田原の漁業では「定置網」が全体の約9割を占めています。「定置網」はその名の通り決まった場所に設置し、網で作った迷路に誘い込み捕獲する方法です。
小田原には4つの定置網があり、小田原漁港から漁船で10分~30分程度。早朝に水揚げされた魚は、朝6時頃にセリにかけられ、鮮魚店や飲食店に流通します。獲れたその日に食べられる「超新鮮」が小田原の魚の魅力なんですね。
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定置網のイメージ
小田原漁港に行ってみよう
「日本一、駅に近い漁港」ともいわれる小田原漁港。JR東海道線(下り)では「小田原駅」の一つ先「早川駅」から徒歩約5分です。
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JR東海道線「早川駅」
マイカーでは、西湘バイパス「早川」出口から約2分、 小田原厚木道路「小田原西」出口から約5分とアクセス良好。土日祝日などは渋滞するので電車がオススメです。