この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです。
今回のテーマは「口臭」です。多くの人が気にする口臭は、正しい対策をすれば予防や改善が可能です。
口臭は誰もが経験する身近な悩みで、その原因は大きく生理的口臭と病的口臭に分けられます。生理的口臭は、起床時や空腹時など唾液の分泌が減少することで細菌が増殖し発生します。一方、病的口臭の多くは、歯周病やむし歯、口腔がんなどの口腔内の問題によるものです。
口臭の主な原因は、口内の汚れによる細菌の増殖で発生するガスです。特に歯周病が深く関係しており、進行すると歯周ポケットが深くなり、歯ぐきから出血や膿が生じます。この過程で硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどの悪臭を放つ硫黄ガスが発生し、強い口臭の原因となります。
口臭を防ぐには、毎日の丁寧な歯磨きが重要です。歯磨きだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロス、舌ブラシも活用し、口腔内を清潔に保ちましょう。口臭は自分で気づきにくく、口腔がんなどの重大な病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です。
日頃から口内を清潔に保ち、食生活やストレス管理にも気を配ることで口臭を予防できます。さらに、定期的に歯科医院で検診を受け、専門的なクリーニングを行うことが口臭の根本的な改善につながります。気になる症状があれば、早めに歯科医院で相談しましょう。