城下町、宿場町として栄えた小田原。その伝統を今に受け継ぐ「老舗」も小田原の魅力です。今回は、「東海道小田原宿編」としてご紹介。ここでは、歴史を刻み続ける資料館「古清水旅館資料館」をレポートします。※掲載情報は2025年3月現在のものです。最新の情報は各店舗にてご確認ください。
参勤交代の大名も宿泊した「本陣」の格式と歴史を今に伝える
金蒔絵の屏風や宿帳など歴史を伝える品々。運営する清水家の先祖は北条家の重臣で、江戸時代には参勤交代の大名も宿泊した本陣「大清水」、それに次ぐ格式の脇本陣「小清水」を営んでいました。
後に合併し「旧本陣古清水旅館」として経済人、文化人との縁も。マンションの一角にある資料館では、豪華絢爛な調度品をはじめ宿帳、道具など江戸から戦前までの貴重な資料を見ることができます。
- 18代当主・清水修一郎さん
『旅行用心集』(文化七年版) 江戸後期の旅行ガイドブックで、旅に関する諸注意や当時の日本地図などが記されている。
明治時代に総理大臣を務めた山縣有朋から、伊藤博文に宛てた手紙。「昨日ハ貴簡忝拝読来貴覧(昨日はあなた様のお手紙を拝読いたしました)…」から始まり、会って話したいので都合はいかがですかと尋ねている。
ピックアップ 旅館を移築
古清水旅館の客間
柱や建具などを移築して客間を再現。近現代の文人墨客にも愛された老舗旅館の雰囲気を体感してみてはいかがですか。客間の欄間
立体的な木彫が施され、表と裏でデザインが異なる凝ったつくり。
戦前の古清水旅館の案内書。記載のある「ジャパンツーリストビューロー(JTBの前身)指定」は、当時小田原では唯一。