伊勢原市内笠窪在住の添田悟郎さん(49)は、旧相模国(現神奈川県)を中心に、神社で執り行われている祭礼を独自に取材。神社祭礼に興味や関心を深めてもらうことなどを目的に、WEBサイトで詳細に紹介しています。
添田さんは、小学校1年生の時に地元の太鼓連と出会い、白根太鼓連の立ち上げ指導に携わるなど、現在では太鼓の指導者として幅広く活動しています。30年ほど前には、1年かけて笛を習得。元々フルートに覚えがあったため、短期間で技術が身に付き、見ただけで吹けるような番号を記した譜面も自作し、笛の指導も行っています。
相模国神社祭礼目的は3つ
サイトの立ち上げは2008年。祭囃子をメインに紹介しようと「神奈川県伊勢原市祭囃子」を始めるが、取材を重ねるうちに情報量が増えたことから、2011年に現在の「相模国神社祭礼」に名称を変更しています。
主な目的は【1】神社祭礼に興味、関心を深めてもらうこと【2】神社祭礼の継承、発展を促すこと【3】歴史的な史実を残すことの3つ。サイトには県内の祭礼を地区別に掲載。伊勢原市内では「伊勢原・岡崎」「大田」「大山」「高部屋」「成瀬」「比々多」の6地区の歴史や地区にある神社、例祭日、神輿や山車の数まで、さまざまな文献などを使って詳細に調べあげた内容が掲載されています。
添田さんは、設計に携わる会社員のため、休日に祭りの取材を敢行。祭りがどのように執り行われるかを多くの人に知ってもらおうと、祭礼の当日だけでなく、前日の準備から、場合によっては翌日の片付けまで、一連の流れを取材するという徹底ぶり。事前に責任者に取材を申請し、地域住民らと信頼関係を築いた上で写真撮影など取材をするため、地域の人々の素の表情など自然な姿が納められています。
1日に撮影する写真は1000枚に及ぶこともあるという添田さん。撮影した写真はサイト内の「写真館」や「活動履歴」で閲覧でき、撮影データは後日、関係者に進呈します。関係者からは「あらためて祭礼の事が分かった」と喜ばれているといいます。添田さんは「多くの人に地域の歴史や文化を知ってもらい、神社祭礼の価値が上がり、活性化につながれば。自分の囃子の技術向上にも役立つ」と話します。

添田さん