連載コーナー【50】 横浜とシュウマイと私「シュウマイの定義」

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連載コーナー【50】 横浜とシュウマイと私「シュウマイの定義」
画像はイメージです

令和はシュウマイの時代!その中心は横浜!と断言するシュウマイ研究家が、横浜から「シュウマイ愛」を叫び(語り)ます。あなたの中で閉ざされた「シュウマイ愛」の扉が開くかも? 

 10年もシュウマイ研究をしているといくつか共通の質問をされるようになるのですが、中でもよく聞かれるのが「シュウマイの定義」。それに対して私は「シュウマイと名乗ればシュウマイ」と答えることにしています。研究家なのに無責任では!と思われるかもしれませんが…全国の多様なシュウマイを知れば知るほどシュウマイという料理を定義することが難しいと感じております。

 一般的なシュウマイの定義は【1】豚ひき肉と玉ねぎが中心の具材【2】小麦粉でできた薄皮で包まれている【3】せいろなどで蒸して加熱してある、といったところでしょうか。ただ【1】は海老などの魚介類やきのこ、レンコンなどの食感野菜が入っていたり、豚肉以外に鶏肉、牛肉、最近では羊肉、鴨肉などを用いたものや【2】も卵の薄皮で包まれていたり、刻んだ皮やもち米で覆われているものも。【3】は近年揚げる、焼く、煮る(スープに浸す)などの調理法も見られます。

 中でも最もその一般論から逸脱した象徴と言えるのが、群馬桐生の「コロリンシュウマイ」。具はでんぷんと玉ねぎと豚油、皮はなく、その団子状の物体を蒸し、ソースと青のりで食します。これがシュウマイと言えるのか?いえいえ、これも桐生地域で50年以上シュウマイとして親しまれたソウルフード。ここ数年研究を始めた人間が、定義に当てはめること自体おこがましいです。歴史と地域性により育まれた多様性。それを楽しむことも、シュウマイの醍醐味の一つであります。

住所

神奈川県横浜市中区

公開日:2025-06-12

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