神奈川県藤沢市を拠点に活動するフォトグラファー、Satoru Kohiraさん特集の中編です。前編では、彼が写真を始めたきっかけや、写真がもたらした世界の広がりをご紹介しました。今回は、いよいよ実際の撮影現場に密着。娘さんたちとのコミュニケーション、そして多くの人を魅了する作品作りのテクニックに迫ります。
撮影現場に密着!家族で歩く、宝探しの時間

2025年8月のある日、私たちはSatoruさんのご厚意により、湘南海岸公園近くの片瀬西浜海岸での撮影に同行させていただくことになりました。この日のモデルも、長女のhanaちゃんと次女のyuduちゃんです。
また、今回はSatoruさん、hanaちゃん、yuduちゃんの三人に歩数計を装着してもらい、約1時間の撮影でどれだけ歩くのかを計測します。歩数計を手に、姉妹はすっかり探検気分のよう。カメラを構える父、その周りを自由に駆け回る娘たち。果たして、どんな光景が待ち受け、歩数計はどんな数字を刻むのでしょうか。
白杭と潮溜まり。水面に映るもう一つの空を狙え

当日撮影した写真
最初の撮影ポイントは、鵠沼海岸に立つ白い杭がシンボリックな場所です。Satoruさんは慣れた指示で娘たちの立ち位置を指示し、潮が引いた後にできた大きな潮溜まりへと向かいます。
「ここが狙い目です」と彼が指さすのは、風が止み、水面が鏡のようになった一瞬。カメラを地面すれすれまで下げてファインダーを覗き込みます。「リフレクションを綺麗に撮るコツは、低い位置から狙うこと。そして、水面が揺れないタイミングを辛抱強く待つことです」。その言葉通り、風が凪いだ瞬間、潮溜まりには夕暮れの空が見事に映り込み、上下対称の幻想的な世界が出現しました。
取材陣もいざ挑戦。Satoruさんは、「タイミングを見極めれば、スマホでも撮影することができますよ」と優しく指導をしてくれました。こちらがスマホで撮影した写真です。

富士を制する圧縮効果と“爆焼け”の法則

次に狙うのは、空が燃えるように赤く染まる、通称「爆焼け」です。撮影ポイントを変えるために砂浜を歩いていきます。Hanaちゃんとyuduちゃんは、楽しそうに追いかけっこをしていました。
ここでSatoruさんはレンズを望遠レンズに交換します。「望遠レンズで遠くから撮影すると『圧縮効果』が生まれて、遠くにある富士山がぐっと大きく、被写体のすぐ後ろにあるように写るんです」。このテクニックと組み合わせたいのが、空が燃えるように赤く染まる、通称「爆焼け」です。「爆焼けは、日の入りの前後20分が勝負。ある程度雲が出ていて、湿度が高い日が狙い目です。台風の翌日なんかは最高のコンディションですね」
次の撮影ポイントとなる引地川が相模湾に流れ込む河口部。到着すると、こちらでも慣れた様子で、二人の立ち位置を指示していきます。
まとめ
果たして、どんな爆焼け写真が撮影できたのでしょうか、また、歩数計の結果、Satoruさんが語る写真と健康の関係とは?
プロフィール Satoru Kohira
藤沢市を拠点に活動する二児の父。娘の誕生をきっかけにカメラを手に取り、その成長と身近な風景を記録し続けている。日常に隠された美しい瞬間を捉える作風が人気を集め、フォトコンテストでの入選多数。写真を通じて仲間と出会い、写真展の開催など活動の幅を広げている。
Satoru Kohiraさんのアカウントはこちら https://www.instagram.com/satorukohira/

















