スーパーは油断できません。特に子どもと一緒のときは。
先日も買い物をしていると、野菜売り場で突然大きな声が響きました。
「ねえ!これ高いね!」
周りの人が少しだけこちらを見ます。私は聞こえないふりをします。
しかし、子どもは続けます。
「なんでこんなに高いの?」
その質問は私ではなく、どうやら店内全体に向けられていました。
「いろいろあるんだよ」と小声で答えると、
「いろいろってなに?」
追及は続きます。公開討論会の始まりです。
別の日には、お菓子売り場で立ち止まりました。
「これ買って」「今日は買わないよ」
すると、
「なんで?」
来ました。質問製造機の本領発揮です。
「家にあるから」「でもこれないよ」
確かにありません。 その日は何とか話題を変えて切り抜けました。
ところがレジに並んでいると、
「さっきのお菓子、本当に買わなくてよかったの?」
と確認が入りました。
議論はまだ終わっていなかったようです。
一番困るのは、不意打ちです。
ある日、買い物中に子どもが急に言いました。
「ねえ、あの人のおじいちゃん、すごく背が高いね」
慌てて周りを見回します。幸い聞こえていなかったようです。
ほっとしたのも束の間。
今度は反対側を向いて、
「こっちのおじいちゃんは小さいね」
比較まで始まりました。もうカートを押す手に力が入ります。
当の本人はいたって真面目です。
悪気もなければ、隠すつもりもありません。
見えたことを、そのまま言っただけ。
ただそれだけです。
買い物を終えて外に出ると、さっきまで元気だったのに急に静かになりました。
どうしたのかと思ったら、駐車場の隅でスズメを見つけていました。
さっきまでのお菓子の話も、公開討論会も、もう忘れているようです。
私はまだ覚えているのですが。
あなたは最近、誰にも遠慮せずに思ったことを口にしたことがありますか。












