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「その服じゃなきゃダメな日」子育て日記・その15

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「その服じゃなきゃダメな日」子育て日記・その15

朝。出かける準備をしていると、子どもが服を持ってきました。

「今日これ着る。」

見ると、かなりお気に入りの服です。昨日も着ていました。

「昨日も着たよね?」

「うん。」

そこは問題ではないようです。

「今日はこっちにしない?」

別の服を出します。

「やだ。」

即答。交渉の余地なし。洗濯したばかりのお気に入りをもう一度着ます。まあ、今日はいいか。

ところが別の日。

外はかなり暑い。なのに持ってきたのは長袖です。

「暑いよ?」

「大丈夫。」

何を根拠に。

「半袖にしようよ。」

「これがいい。」

本人の決意は固い。こちらも負けずに、

「絶対暑いって。」

「暑くない。」

まだ外に出ていません。なぜわかる。結局そのまま出発しました。

10分後。

「暑い。」

知ってます。

またある日は、左右違う靴下を履いていました。

「それ違うよ。」

「知ってる。」

知ってるんだ。直す気配はありません。本人の中では完成しているようです。

そういえば子どもの頃、お気に入りの服がありました。

なぜ好きだったのかは覚えていません。
でも、そればかり着たかったことは覚えています。

大人になると、

場所に合っているか。
季節に合っているか。
人からどう見えるか。
いろいろ考えて服を選びます。

朝、鏡の前で迷っているこちらを横目に、子どもは例の服を着ていました。

「それ、好きだね。」

「うん。かっこいいから。」

理由はそれだけでした。なんだか服選びでは負けた気がします。

数日後。

「今日もあれ着る?」

聞いてみました。

「もういいもん」

終わる時は突然です。あんなに好きだったのに。

洗濯して待っていた服が、少しだけ気の毒でした。
あなたにも、なぜかそればかり着ていた服はありませんでしたか。

『へんてこ子育て日記』はこちら

住所

神奈川県横浜市

公開日:2026-09-17

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