川崎市中原区の等々力緑地内にある川崎市市民ミュージアムでは、2018年の11月10日から2019年1月14日まで、「ビッグコミック50周年展」を開催中です。『ビッグコミック』は1968年に創刊した小学館のマンガ雑誌で、「大人のコミック誌」という分野の草分け的存在です。
その創刊号には、手塚治虫をはじめ、『サイボーグ009』やテレビドラマの原作にもなった『HOTEL』で知られる石ノ森章太郎、『サスケ』『カムイ伝』で有名な白土三平、先日まで同じ市民ミュージアムで展覧会が開かれていた『ゴルゴ13』のさいとう・たかを、そしてNHKの朝の連ドラのモデルにもなった『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげるの5人が作品を載せています。この創刊号の原画・複製原画も一部展示されています。
『ビッグコミック』50年の軌跡
今回の展覧会では、創刊号から現在に至るまでの掲載作品の原画や複製原画が約320点、その他歴代の『ビッグコミック』本誌をはじめ資料・雑誌など1,000点以上が展示されています。
会場では手に取って読める過去の本誌もずらっと並びます。実際に読んでみると、作品の面白さはもちろん、当時のインクの色合いや掲載されている広告などから「その時代」も感じることが出来ます。
今も進み続ける『ビッグコミック』
多くの漫画家を輩出した『ビッグコミック』ですが、現在もなお読者の心を掴む多くの作品が掲載されています。『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじが『空母いぶき』を、映画化もされた『岳』で知られる石塚真一が『BLUE GIANT SUPREME』を連載しています。彼ら、現在連載中の作家の原画・複製原画も多数展示されます。
精密に描かれた原画からは漫画家の息吹が伝わってくるようです。
新春超ビッグ対談 開催決定
2019年1月13日(日)の15時~16時(予定)、漫画界の大御所、さいとう・たかをとちばてつやのトークイベントが開催されます。貴重な話を聞ける、滅多にない機会です。会場は、川崎市市民ミュージアムの1階映像ホールで定員は270人です。HP内の申込フォームからお申し込みを。1月5日(土)締切です。応募多数の場合は抽選。
市民ミュージアムと漫画
川崎市市民ミュージアムは、特定の人しか触れることのできないたった一つの「芸術品」ではなく、市井(しせい)にある、みんなの周りにある「大衆芸術」、漫画やポスター、ビデオや映画など「複製芸術」に着目しているユニークなミュージアムです。
そして、日本の公立館で初めて漫画分野の収集・展示をおこなっていて、現在では漫画分野だけで6万点以上の資料を収蔵しています。