市内のイベントに記者が参加し、魅力を伝える体験レポート。今回は、来春開催の「日本まちあるきフォーラムin小田原」のプレ企画、まちの魅力の伝え方を実践的に学ぶワークショップに同行した。
ワークショップの進行役は、NHK「ブラタモリ」で小田原の案内役を務めた弘前大学准教授の平井太郎さん(早川出身)。
この日は、ガイド役と参加者役に分かれて実際にまちを歩き、良かった点や改善点を見つけるとのこと。2つのグループのうち、米光道子さんが案内するコースに同行した。
実は米光さんは、小田原ガイド協会のベテランガイド。なりわい交流館をスタートするとかまぼこ通りの老舗、市外からマニアも訪れる3種類のカラーマンホールを紹介。さすがにポイントを押さえている。そのまま青物町商店街へ足を伸ばし、明治20年創業の松崎屋陶器店へ。入口で米光さんが「商品を壊さないようにリュックは前に抱えて」と念を押す。店舗2階に上がり納得。そこには歴代当主が仕入れた逸品がずらり。4代目の曽我英孝さんの説明によると、各務鑛三(かがみこうぞう)(1896〜1985)の手によるカガミクリスタルの花瓶、金が施された九谷焼の飾り湯呑みなどは40年〜50年以上前の貴重な品だという。「100年以上前に仕入れた花瓶もありますよ」とさらりと言う。
その後向かったのは、高齢者住宅の2階にある「旧本陣脇本陣合同古清水旅館資料館」。江戸時代の参勤交代で小田原宿を通る大名が利用した本陣・脇本陣の豪華な調度品や、当時のガイドブック「旅行用心集」ほか貴重な資料を見ながら、当主の清水修一郎さんの解説が聞けるこちらも贅沢なひと時だった。
なりわい交流館に戻るとチェックしたポイントの発表。「マンホールの説明は目を引く」「北条氏の説明をもう少し入れても良かったのでは」などが挙がり、平井さんは「買い物できるお店では、まず自分が買うと良い」などとアドバイスを送った。米光さんは「街を良く知っている人たちなので緊張した。やはり名店を訪ねたりするのは楽しいですね」と安堵の表情を見せた。