どこか懐かしく、メロディーが心地よく耳になじむカントリーミュージック。飾らず、親しみやすい音楽性に魅了された愛好者が集う「カントリー音楽を楽しむ会」では、その名のとおり、全身で楽しむことに主軸を置き、日々活動する。歌詞やダンスを間違えてもいい、音を外したっていい。どれだけ「真剣に」楽しめるかが第一義。観客にもその情熱が伝播するステージパフォーマンスは、毎回大にぎわい。好評を博している。
「カントリー音楽を楽しむ会」は、12〜13年ほど前に結成。もともと少年時代からカントリー音楽やダンスに親しんでいたという会代表の渡邊稔さんが、「身近に楽しめる場を作りたい」とサークルを立ち上げたことがきっかけだった。当初は仲間内4人だったメンバーも次第に増え、下は60代から最高齢が84歳。今では約20人が所属するまでに成長した。
練習日は月に2回。三浦市内のみならず、横須賀・逗子・鎌倉、遠くは横浜から集う。つかの間の休憩時間には茶菓子を持ち寄り、和気藹々。「この時間も楽しみのひとつ」と、手製のおにぎりを頬張りながら気が置けない仲間同士、親睦を深めた。
「はつらつ」を体現
グループの通称「MCGG」。「Miura Coast GranPa’s & GranMa’sの略。三浦海岸の爺さん婆さんたち、だからね」と渡邊さんは茶目っ気をのぞかせるが、衣装のデニム・テンガロンハット・ベスト・スカーフ・ブーツといったウエスタンファッションを小粋にきめ、ギターやバンジョーなどの生バンドに合わせて歌い、軽やかにステップを踏む姿は年齢を感じさせない。
「はつらつ」という言葉の体現するように笑顔が絶えず、ひとたび音楽が流れると自然に身体が動き出す。一体、秘訣はどこにあるのか――と尋ねると、「カントリー音楽は歌詞やメロディーが前向きでメソメソしない。だから気持ちも若々しく健康でいられる」「英詞がいい脳トレになっているのかも」と皆、口をそろえる。
何かを始め、学ぶのに遅すぎることはない。なかには、2〜3年前からバンドメンバーを指導役にギターを習い始めた女性も。「指づかいが難しいけれど、それ以上に楽しい」
カントリーの魅力届ける
12月8日(土)には定例のステージを開催。本番を間近に控え、練習にも自然と熱が入る。今回はクリスマスをテーマにした選曲もあり、大人から子どもまで楽しめる内容を用意した。
会のモットーは明るく、楽しく、前向きに。渡邊さんは「曲を通して、人が集まり、ひとつになれることが魅力」と話し、最高のパフォーマンスを誓った。