今年の干支「亥」(イノシシ)にちなんだ、「摩利支天像」の特別拝観が元日から2月3日(日)まで、小田原城で行われる。天守閣最上階に安置され、イノシシに乗った姿の摩利支天像。普段は安置空間の外側からしか見ることができないが、期間中は中まで入り間近で鑑賞することができる。
昨年12月には、摩利支天と書かれた「登閣朱印」の販売も開始。特別拝観でさらに入場者が増えそうな勢いだ。諏訪間順館長は「イノシシに乗った摩利支天の姿を多くの方に正面から見て欲しい」と来館を呼びかけている。
4階では小田原華道協会と小田原書道連盟による「第53回・新年の書といけばな展」を1月14日(月)まで開催。30点の書と生け花が新春を彩る。
陽炎の化身「摩利支天」特別拝観は2月3日まで
陽炎の化身ともいわれる「摩利支天」。武士の守護神として信仰され、その姿はイノシシに乗っている。光よりも速く現れ、災難を除き、利益を与えてくれると言われる。
小田原城天守閣に祀られている像は三面六臂(3つの顔に6本の腕)。1703年に発生した元禄地震の際に焼失を免れたと伝わることから、大久保忠朝が藩主を務めた1680年頃の作ではないかと言われている。作者は不詳。
江戸時代、摩利支天は阿弥陀如来・如意輪観音・大日如来・弁財天・地蔵菩薩・薬師如来とともに「天守七尊」と呼ばれ、仏像が小田原城天守に安置されていた。1870年の廃城とともに永久寺(城山)に移され、1960年の天守閣復興の時に摩利支天像のみが天守へ返還されたという。2017年の「平成の大改修」により、江戸時代の一部を再現した空間で安置されている。
天守閣の入場は午前9時から午後5時まで(最終入場午後4時30分)。入館料は15歳以上500円、小中学生200円。問い合わせは小田原城天守閣【電話】0465・22・3818へ。