市内のイベントに記者が参加し、魅力を伝える体験レポート。今回は2019年3月に開催する「日本まちあるきフォーラムin小田原」のプレ企画、まち歩き体験ツアー「小田原まちなか、まちあるき」の第1弾に参加した。
2018年6月16日午後、集合場所の小田原駅改札前で笑顔で迎えてくれたのは渡辺剛治さん(42)。NPO法人小田原まちづくり応援団理事で清閑亭の館長も務め、小田原のまち歩きガイドのキャリアは7年を数える。
今回の参加者は30代〜70代の男女、総勢28人。駅東口側の二宮金次郎像に見送られいざ出発。ロータリー横を通っていると、事前に配られた小型通信機のイヤホンから「これ、知っていますか」と渡辺さんの声。見上げるとアーケードに家紋。「三つ鱗の北条氏は知っているけれど…?」。聞けば、歴代小田原城主のものだという。語りたくなる我がまちのうんちくをさっそくゲット。先が楽しみだ。
右折して、しばらく進みお堀端通りの「幸田口門跡」に。江戸時代の土塁跡だというこの松の下を、かつて武士も歩いていたかと思うと感慨深い。国道255号線へ通り抜けると平井書店。屋号「積善堂」は、明治の元帥・山形有朋からいただいたという。教科書に出てくる著名人とのエピソードがさりげなく隠れている…小田原の奥深さを垣間見た気がする。
馬出門から小田原城に入り、箱根口門跡を経て創業650年の老舗ういろうに到着。ここまでスタートしてから1時間ちょっと。店舗奥の外郎博物館を見学してから、再び歩きだし、すぐに柳屋ベーカリー。こちらも大正10年創業の老舗だ。箱根に滞在する外国人用としてホテルにパンを届けるため小田原には早くからパン屋があったらしい。次回は、ここであんぱんをほおばりたい。
再びお城方面に折れて、新しくなった報徳二宮神社の鳥居を横目に、最終地点の清閑亭に到着。2時間とは思えない小旅行気分。渡辺さんいわく「最もベーシック」という今回のコース。参加者はメモを取ったりスマホで写真に収めたり、まちの魅力を再発見(または再確認)していた様子。歴史、文化、なりわいとコースはまだまだある。次は家族で参加してみよう。