茅ヶ崎市美術館で「美術館まで(から)つづく道」が7月14日から9月1日まで開催されます。茅ヶ崎市美術館は茅ヶ崎駅南口から徒歩約8分とお散歩感覚で行ける道のりですが、館のまわりは昔からの細い道が多く「道に迷いやすい」と言われることもあります。
インクルーシブデザイン
茅ヶ崎市美術館が参加している” MULPA マルパ(注1)”というプロジェクトで、ある弱視の方が迷いやすい美術館までの道のりを「むしろ迷路のように楽しんだ。」と言われました。この迷い道を別の視点・価値観から捉えようとした新たな取り組みが行われました。それは、障害者やマイノリティと位置づけられることの多い人たちと取り組む“インクルーシブデザイン(注2)”の手法を用いて、実際にアーティストが美術館周辺の道を障害者の方々と歩き、感じたことを作品にするというものです。
(注1)MULPA(マルパ)とは、(公財)かながわ国際交流財団の呼びかけにより、2016年より立ち上がったプラットフォーム型のアートプロジェクト。多様な人々・団体とつながりながら、定住外国人や障害のある方々の美術館へのアクセシビリティーを高めることが意識されている。(注2)インクルーシブデザインとは、高齢者、障害者、外国人など多様な人々をプロセスの最初から巻き込むことで、従来の思い込みを打ち破り、新たな発想力を引き出す手段として近年注目されている手法。
見て、聞いて、触って、嗅いで感じる、新感覚のアート体験!
短冊形の作品を揺らすと様々な音が響いたり、茅ヶ崎の道で捉えた6つの香りがケースに入った探検用貸し出しキット、指を使って作品に触れながら歩くと音や光や香りが次々と現れたり、と五感に働きかける作品が登場します。
美術館・地域・人がつながる4組のアーティストによる新作を展開!
小さな子と鳥をテーマに、複数の時間を一つのキャンバスに描いた絵画作品や茅ヶ崎の散歩記憶を記録し、膨大なリサーチをもとにした壮大なインスタレーションが展示されます。
絵画、メディアアート、フレグランス、インスタレーション、詩など多彩な表現が集結した企画展にぜひ足をお運びください。
関連イベント
「アーティストトーク」
日時:7月28日(日)13:00~14:00 アーサー・ファン
8月11日(日)10:30~11:30 金箱淳一+原田智弘
8月24日(土)14:00~15:00 原良介
8月25日(日)10:30~11:30 稲場香織+MATHRAX[久世祥三+坂本茉里子]
フィールドツアー「作品の道を歩く」 申込制
7月28日(日)14:30~16:00
美術と手話「手話で楽しむ鑑賞ツアー」
8月4日(日)15:00~17:00
シンポジウム「フィールドワークからの作品制作」
8月10日(日)14:00~16:00
フィールドワークショップ「みちの音を摘み取る」 申込制
8月11日(日)14:00~16:00
電子工作ワークショップ「キツネも歩けば光る・奏でる」 申込制
8月25日(日)15:00~17:00
キュレータートーク
(1)7月31日(水)11:00~12:00
(2)8月31日(土)14:00~15:00
*申込制のイベントは 7月14日(日)10:00より美術館受付またはお電話にてお申し込みください(開館時間内)。
タウンニュース茅ヶ崎版ではこの企画展の参加アーティストを3回に分けてご紹介しています。記事は随時公開していきます。