第六天再建の経緯を記した案内板を設置
松田町内で古道の復活やハイキングコースの景観美化などの地域貢献活動を行う「虫沢古道を守る会」が設立10周年を迎え、記念事業としてこのほど第六天再建の経緯を記した案内板を設置した。
「整備が入らずに荒れてしまっている地元の山や古道を整備しよう」と立ち上がった有志の7人で2009年に設立した同会。設立した年に江戸末期まで松田町寄の虫沢地区と山北町の八丁地域を結んだ生活道で、当時花嫁(はなじょろ)が通った道として伝わる「はなじょろ道」の整備をしたことをスタートに、2017年には「タケ山古道」の復元に尽力。現在はメンバーも15人に増員し、町のハイキングコースの管理にも携わっている。
整備の行き届いたコースの至る所には、「ハイカーが迷わないように」という思いを込め、メンバーでもある福昌院の黙應康雄住職が記した筆文字の標識を建てている。
また、虫沢古道へとつながる尺里峠(松田町から山北町境)では、2012年に「第六天」と呼ばれる仏の石碑を同会が再建した。そして、このほど会の設立10周年と改元を記念し、第六天再建の経緯を記した案内板を設置した。
多くの人に来てもらいたい
11月10日には、寄地区にある虫沢地域集会施設で序幕式を行い、本山博幸松田町長や地元選出議員らが参加し、記念の年を祝った。同会の山岸榮市会長は「地道な活動が実を結んで、近年は多くのハイカーの方々が訪ねてくれるようになった。これから冬の季節は景色が非常に素晴らしいので、コースに来てほしい」と話した。
今後も同会はハイキングコースの整備に力を入れるとし、山岸会長は「台風などの災害で荒れている箇所も含めて、今ある道の維持に尽くしていきたい」とさらなる意欲を示した。