2020年の干支は「ねずみ」。西区役所に隣接する戸部杉山神社(佐野顕次宮司)では、一般的な狛犬に加えてオスとメスの「狛ねずみ」が境内にある。干支にちなんだ縁起物のスポットとして注目が集まっている。
同神社で祀られているのは大国主命(おおくにぬしのみこと)。古事記の中に大国主命の危機をねずみが救った逸話が書かれていることから、ねずみは大国主命の使いだとされている。
18年前から鎮座
狛ねずみが建立されたのは2002年。神話を基に、同神社の鎮座1350年を記念して奉賛会が奉納した。
社殿に向かって右側がオス、左側がメスのねずみ。右手に打ち出の小づちを持っており、台座を除いた高さは約80cm。回転させることができ、男性はオスのねずみを時計回りに、女性はメスのねずみを反時計回りにゆっくり一回転させて願掛けすると、願いが叶うとされている。
噂を聞きつけ遠方からも
毎年小学校に新入学する児童たちの学業成就や交通安全を祈念する「勧学祭」を執り行うなど地元地域に根差した、いわゆる「街の神社」的存在の戸部杉山神社。しかし今年の干支にゆかりある神社ということで、昨年末から週末ごとに遠方からも参拝者が訪れているとのこと。
中には年賀状に載せるために狛ねずみの写真を撮りに来たという人も。雑誌やテレビの取材に加え、旅行会社からバスツアーコースに組み込めるかどうかの問い合わせも来ているという。
子年限定の御朱印も
ねずみ年に合わせて、戸部杉山神社では御朱印のデザインを変更。2020年1月1日から、境内の狛ねずみ2体のイラストと「令和二年庚子(かのえね)歳」の字が加わったものを頒布している。

2020年1月1日から頒布される御朱印
ねずみが描かれた絵馬やお守りは普段から取り扱っているが、新たに木の御札と開運切り絵と呼ばれる「吉祥寶来(きっしょうほうらい)」も正月に合わせて用意した。
普段から3が日は年が替わる前から初詣の参拝者で行列ができ、駅伝観戦帰りの人などでもにぎわう同神社。宮司として初めての子年を迎えた佐野顕次さんは「ねずみは繁栄の象徴。昨年は令和の御代替わりで奉祝のムードも高まったので、国中が平穏になる一年になれば」と話す。
2月から社殿修繕
同神社では新天皇即位の奉祝事業として社殿の改修事業を2月の節分明けから行うため、現在の社殿で迎える正月はこれが最後となる。
現在の社殿は1956年に建立。当時では珍しい鉄筋コンクリート造り、竣工時には県の建築コンクールにも入賞している。建て替えはせず、屋根や外壁の修繕を夏の例大祭までに行う。神社では修繕費用の協賛を募っている。問い合わせは社務所【電話】045・321・1980へ。