金程中学校区地域教育会議の主催で「地域の防災ワークショップ」が2月1日、金程小学校で行われた。毎年開催されているワークショップだが、今回は災害発生時の避難所運営についてゲーム形式で挑戦。多世代の住民自らが「災害に強いまちづくり」の議論を重ねた。
中学校区地域教育会議は、地域、学校、行政が協力し、学校と地域の協働を推進する住民自治の教育参加組織。
金程中学校区には新興住宅地もあり、「近所のつながりは希薄だったこともある」と同会議の柳田睦子議長。「いざという時に役割を押し付け合うことがないか」と懸念した同会議では、受け身ではなく住民自身で考えてほしいと、6年前から毎年テーマを変え、防災ワークショップを開催。「若い人がたくさん発言できる地域にしたいと思ってやっている」と柳田議長は語る。
今回は町会関係者、PTA、中高生ら85人が参加。参加者は10人ほどのグループに分かれ、避難所運営ゲーム「HUG」を体験した。川崎市が地震に襲われ、電気、水、ガスが使えない中、学校を避難所として開放することを想定。ケガをしている人や妊婦、日本語を話せない外国人など、避難所にやってくるさまざまな人を考慮し、体育館や特別教室の部屋割りを検討。その後、各グループの発表を聞きあい、意見交換した。区職員は「明確な正解はないが、車いすが通れる通路幅な確保すること等、注意すべき点はある」と講評した。
「地域資源知っておこう」
ワークショップ全体の講師を務めた、東京大学生産技術研究所の加藤孝明教授=向原在住=は「防災もまちづくりという意識を、普段の暮らしの中に織り込むことが大切」と総括。参加者の千代ヶ丘在住の女性は「近所の建物やどんな人が住んでいるか、地域の資源を予め知っておくといいのかなと思った」と話していた。