新型コロナウイルス感染症の影響により経済的に打撃を受けた学生をはじめ、困窮する大学生への支援を手厚くする必要性があることから、相模原市は7月から食材の配布を行う「さがみはら大学生等未来応援事業」を継続的に実施していくことになった。事業開始日となった4日には、多くの大学生が集まり、ニーズの高さをうかがわせた。
同事業は新型コロナの影響により、アルバイト先が休業するなどして経済状況が悪化した大学生を支援するために、6月末まで行われた食材配布イベントが前身。訪れた大学生から事業の継続を望む声が多数あがり、困窮する大学生の食の支援の需要を把握したため、来年3月末まで期間の延長を決定。若者を応援することを目的に事業を立ち上げた。
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事業の開始日の4日には、開始前から多くの大学生が行列をつくった。食材は市内団体、企業から寄付された野菜やインスタント食品など約30種類。大学生らは欲しい食材を5つ選び、持参した鞄に詰めて持ち帰った。
女子美術大学に通う古川和希さんは「一人暮らしなので必要な物を貰えて助かる」と笑顔を見せた。古川さんは老人ホームでアルバイトをしていたが新型コロナの影響により施設自体に立ち入ることができず、現在もバイトへ復帰の目途が立っていない。同事業について「生活の不安があったが、支援したいという人がこんなに大勢いることが分かり嬉しかった。他の地域に広がって欲しい」と期待を寄せた。
SDGsブースも展開
同事業はSDGs(持続可能な開発目標)の推進も目的としており、事業を通して大学生に「飢餓を無くそう」などのコンセプトの理解も求める。同日には有志団体「さがまちSDGsファウンデーション」が市と共同でブースを出展。SDGsにちなんだ願い事を短冊に書いてもらう啓発活動のほか、あわせてパンをプレゼントする食材支援も行った。市は今後も趣旨に賛同した企業などと連携し様々な取り組みを広げていく予定。
食材配布は今後毎月第1、3土曜日に青少年学習センターで開催。10時から18時まで。追加の食材配布がある場合は、同センターのLINEで告知される。