昨秋の台風19号により破損、撤去されていた小田原駅のシンボル「巨大提灯」が、修復作業を経て約10カ月ぶりにJR小田原駅改札前に帰ってきた。8月29日の未明から搬入・設置作業が行われ、同日午前8時30分からは関係者による修復完了記念式典が行われた。
「山崎提灯店」五代目が修復
2003年から掲げられてきた巨大提灯は、市内で唯一残る「山崎提灯店」の先代・山崎勇さん(故人)が製作したものだ。破損を受け、当時の製作にも携わった五代目の高史さんが「父が苦労した提灯。同じようにできるだろうか」と重責を感じながらも丹精込めて修復にあたってきた。
湿気による影響を考慮して和紙原料を見直し、山梨県の楮(こうぞ)手漉き和紙に変更。畳一枚程の大判サイズの特注品を計40枚、二重に貼ることで強度を高めた。防水加工を施したほか、万一に備え折りたためるように手動の巻上機も内蔵。高さ4・5m、直径2・5m、重さ340kgの巨大提灯が再び掲げられ、高史さんは「ほっとしました」と見上げていた。
構内は祝福ムード
式典では守屋輝彦市長が「小田原に新しい明かりを灯すことを切に願う」とあいさつ。鉄道5社を代表して東日本旅客鉄道(株)の小野俊幸駅長は、提灯の折鶴アートについて報告し「皆様から寄せられた鶴も1万羽を越え(再掲で)バトンタッチできた」の笑みを浮かべた。この日駅を行き交う人の中には写真に収める姿も多く、構内は祝福ムードに包まれた。
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