誠実に、感謝と共に
○…枡形3丁目に位置する約100世帯の町会「松本ふたば会」、近隣21町会による「東生田町会連絡協議会」の会長として地域を駆ける。この地に住み50余年。まちの福祉や自治に貢献した人に贈られる自治功労賞受賞の知らせに、「身に余る光栄。地域の皆さんのおかげ」と率直な思いを語る。生田に、多摩区に住んでよかったと思ってもらえるように――。安全で安心して暮らせるまちを思い描く。
○…長年勤めた企業・不二サッシから60歳で独立し、それを機に町会長に。小さな町会ながら皆が進んで地域を良くしようと動き、防犯灯設置や私道舗装、ゴミ置場整備、美化活動と早くから実践してきた。東生田小学校区を中心にした東生田町会連絡協議会では、避難所運営会議や地元消防団の支援に尽力。会長を務める生田地区社会福祉協議会は60周年を迎えた。「今までやってきたことを見直し、模索している」。各組織で何ができるか、考えを巡らす。
○…長野県・南信州の生まれで、地元愛は人一倍。県の高校同窓会東京連合会で副会長を務め、仲間との会話に花を咲かせる。枡形は妻の地元。会社員時代は母校の専門学校の夜間講師や単身赴任で留守も多かった。「家内に負担をかけた。家を守ってくれた家族に感謝」。今は10年以上にわたり妻を介護で支え、近くに住む長男長女、4人の孫も頼れる存在だ。
○…生田中など学校の授業に出向いたとき、生徒に伝えるのは「得意なものを自分でつくること、目標を持って行動すること」。自身は「努力と信頼」を座右の銘に、感謝の気持ちや恩を大切にする。「いろんな団体で素晴らしい人たちに恵まれた。自分は何もしていない」。多くの仲間と手を取り合い、一つひとつ真摯に向き合う。