2016年から官民連携事業として松田町で始まった買物支援事業・移動スーパー「くるまつくん」。専用車両が生鮮食品や生活必需品など約400品目1千点を積んで事前に決められた拠点を回り、地域の買い物をサポートしている。買物に行くことが困難な高齢者や障害者の支援のほか、ドライバーによる地域住民の見守り活動を兼ねているのが特徴だ。
大井町では、18年度に町社会福祉協議会が町内の要支援者等を対象に買物についての調査を実施。「買い物先が遠くて行くのが大変」「店に行って買いたい」「移動販売車に来てほしい」など、松田町と同じ課題があることが浮き彫りになった。そこで、先に移動販売が行われていた松田町に協力を依頼。昨年4月から同町内でもサービスが開始されることになった。
大井町での販売は松田町での運行と重ならない毎週水曜日で1拠点につき10〜15分。事前にドライバーに商品を注文し拠点で購入できるなど、利用者に寄り添ったサービスもある。同社協によると、昨年4月実施から今年1月末までに、運行1日あたり平均約20人前後の利用者があり、販売額は平均4万円前後で推移しているという。
サービス開始後、利用者の声を受け、この2月からは「JAかながわ西湘大井支店」が加わり、大井町は現在全10拠点に。新たな利用者も増えているという。社協の担当者は「定期的に調査を行い、買物に行くことが困難な高齢者などのニーズに応えられるよう、調整し、拠点の見直しや新規設置なども対応していきたい」と話した。