オンライン総会や、SNSを使った回覧板、コロナ禍で密にならないガレージセール風のイベントなど、革新的な取り組みを行う「はるひ野町内会」(杉本秀治会長)。同町内会はこのほど、部会の一つとして「まちづくり本部」を創設し、活動を開始した。
同町内には、里山をはじめ、8つの公園、4キロにわたる植栽帯や街路樹があり、それらの景観や環境がまちの特徴の一つになっている。その良好な景観環境を創出する「まちづくりプラン」を、中長期的な視点で検討し、計画を策定していくことを担うのが同部会の役割だ。
同町内会では、景観の維持、緑化保全を目的として、まちなみ協定部会や環境美化部会、環境緑化部会が活動を行ってきた。年に4回、町内の一斉清掃なども100人近い町内会員が参加して行っているが、日々生育する草などの刈り取りや街路樹の剪(せん)定(てい)などは、外部団体の「はるひ野グリーンクラブ」が行っていた。
一方で、年に70回ほど活動していた同クラブは、高齢化によって活動が困難になり、今春解散。防犯・防災の観点や景観維持のためにも、それぞれの部会、他の環境系外部団体と連携して、まちづくりを行っていくために今回「まちづくり本部」を創設した。
「住みたいまちに」
「他の部会や、外部団体と連携し、すべての情報を集約、発信していきたい。このまちをどうするか中長期的に考え、『与えられたまち』ではなく、『自分たちで住みたいまち』にしていきたい」と同町内会副会長で、同本部長に就任した片岡雅史さん(60)。町内会有志の10人が部会メンバーとなり、当面は緑化行政を中心に検討していくという。
「まだ新しいまちだけど高齢化が進んできたときに、このきれいな景観を維持できるか。それを今から考え、『こういうまちにしたい』という町民の希望を検討し形にしていきたい」と片岡さんは語る。その思いは、はるひ野だけでなく、新百合ヶ丘や麻生区にまで広がる。「子どもや孫が、一度この地域を出たとしても『はるひ野や、しんゆりはいいまちだよね』と、また戻ってきてもらえるようなまちづくりを自分たちで考えていければ」と片岡さんは語る。