種芋の産地として名を馳せた歴史
保土ケ谷は明治中期から昭和初期にかけて、ジャガイモの種芋産地として全国に名を馳せていました。北は北海道、南は四国まで「保土ケ谷の〇(まる)いも」として出荷されていた歴史を知ってもらおうと、保土ケ谷区制80周年を記念し、地域と酒販組合、区役所が連携し、「地産地消」を目指した取り組みとして2006年に誕生したのが、全国的にみても希少な「ジャガイモ」を原料にした地場焼酎「ほどじゃが焼酎」(720㎖・2,300円・25度/500㎖・1,850円・25度/500㎖・2,500円・36度〈原酒〉)です。
原料は最高品種「キタアカリ」、本場・鹿児島で醸造
保土ケ谷区内の農家が育てたジャガイモの最高品種とされる糖度の高い「キタアカリ」が原料で毎年、鹿児島県の「オガタマ酒造」が醸造を手掛けています。
「大切に育てた娘を嫁に出すような思い」
毎年、3月上旬に種芋を植え付け、7月末に収穫した芋が「横浜馬鈴薯」と印字された段ボール箱に梱包され、醸造を手掛ける鹿児島県薩摩川内市の醸造元「オガタマ酒造」へ、陸路で運び込まれます。栽培した農家は「『うまい焼酎になって戻ってきてほしい』と願いながら送り出している。大切に育てた娘を嫁に出すような思い」といいます。
紆余曲折を経て
取り組みが始まった当初、醸造本数は700本ほどだったが数年後には約3千本にまで拡大。保土ケ谷の地場産品として定着しました。
製造開始から10年を迎えるタイミングで瓶やラベルのデザインを変更、名称も「ほどじゃが焼酎」から宿場町をイメージした「四百年の夢(おもい)」に改め、第2ステージへと歩みを進めましたが、一時、在庫を抱える時期もあったといいます。
さらに1200本を醸造する計画だった2020年には、雨が続き日照が不足する記録的な天候不順の影響を受け、確保できる芋の量は半分にも満たず、新酒造りを断念。不作により新酒が造られないのは初めてでした。
2021年からはアルコール度数36%の「原酒」も登場
紆余曲折を経て2021年に名称を「ほどじゃが焼酎」に戻し、ラベルもジャガイモを前面に押し出したデザインに変更。さらに新たなラインナップとしてアルコール度数36%の「原酒」も登場しました。
- ジャガイモの芳醇な香りと甘み、爽やかな味わいで、女性や若者も楽しんでもらえるようになったといいます。
地場産品として贈答品にも
関係者は「『原酒』が加わったことでアルコール濃度25%の従来品と合わせてお歳暮や贈答品としても使っていただけるのでは。保土ケ谷の地場産品として多くの方にご愛顧いただきたい」と話します。
- 毎年、秋口から横浜小売酒販組合保土ケ谷支所に加盟する酒販店で購入することができます。
- 商品購入に関するお問い合わせは大尾さん09018036686へ。
- 配達に関する問い合わせは久保田さん09026699889/光野さん09046796954へ。
保土ケ谷の地場ワイン「開港ワイン」も人気に
2019年から地場ワイン「開港ワイン」(4,200円)作りもはじまっています。
明治から昭和期にかけて保土ケ谷域にはぶどう畑が散在していたといいます。1902(明治35)年には現在の峯小学校近くに「皇国葡萄酒醸造所」が建設され、戦前まで皇室御用達の「皇国葡萄酒」を醸造していた歴史があります。
地場焼酎づくりに携わる区民らのグループは「新たな地場産品を生み出そう」と「横浜市保土ケ谷区産のワインを造る会」を立ち上げ、「地場ワインプロジェクト」が始動しました。保土ケ谷区内では唯一、ぶどうを栽培している三村大輔さんが原料を提供し、小規模ながら地場ワインづくりへの挑戦が始まりました。
毎年、全国各地から予約が寄せられる人気の品となっています。
- 商品購入に関するお問い合わせは大尾さん、09018036686へ。
- 配達に関する問い合わせは久保田さん09026699889/光野さん09046796954へ。