嗚呼、なんてロマンチック。今や神奈川県・松田町の高松山への登山道として知られる「はなじょろ道(みち)」ですが、実は明治末期頃まで、隣町である山北町と松田町・寄(やどりき)を結ぶ生活道でした。当時は、山北町共和村などから松田町にお嫁入りする「花嫁」=「はなじょろ」さんも通っていたことからこの名が付きました。花嫁探し中の独身含む男子2人で、当時の“はなじょろさん”になった気分で、富士山の絶景スポット高松山まで登ってきました。※登山中は撮影用にマスクを外しています。
今回の高松山登山コース
■コース:小田急線「新松田駅」(※2番乗り場「寄」(やどりき)行)ーバス停「田代向」下車ーはなじょろ道看板ーはなじょろ道入口ー高松山(標高801m)
■レベル:★★☆☆☆ ※個人差があります
■登山時間※目安(はなじょろ道入口ー高松山):のんびり歩いて往復3時間
■その他メモ:専用駐車場なし。はなじょろ道入口ー山頂までトイレなし。登山前に済ませておくこと。
【目次】※以下クリックするとジャンプします
・「はなじょろ道」入口
・「虫沢古道を守る会」
・みつまた群生地
・「あ、リスだ」「うさぎだ」
・ヒゴネ沢乗越
・「岩場発見しました!」
・高松山山頂(標高801m)
・登山を終えて
「はなじょろ道」入口で鐘を鳴らして出発
はなじょろ道入り口に到着です。標高801m・高松山登山がスタート!ん?「鐘を鳴らして登ろう はなじょろ道」…。登山の安全祈願のために設置されたという鐘。これは鳴らさないわけにはいきません。澄んだ鐘の音色です。
- 松田町の一大イベント「まつだ観光まつり」で披露される大名行列にちなんだ町の人気キャラクター「奴さん」パネルを携え登山。登山中、チェックポイントで登場します。
ヤマビル対策お忘れなく
さあ、張り切って出発!…の前に。ヤマビルが数多く生息する丹沢。塩やスプレーでヤマビル対策をしっかりして登りましょう。
「あ…ヤマビル対策忘れた」という時はこちら。高松山までの道のりには、塩のボトルがぶら下げられています。
- メモ “はなじょろさん”の足元に何かがあってはいけない…そんな優しさも感じられる登山道。「『虫沢(むしざわ)古道を守る会』の皆さんの存在が欠かせません。※塩は無くなっている場合もあるので何より事前の準備が大事!
森林セラピー気分でゆく“はなじょろ道”
いざ出発です!高松山山頂までは、ひたすら林道が続きます。アップダウン少々、急登もありますが、階段や標識などの整備が行き届いており、登山初心者にもおすすめ。
視界が開け、スーッと森を割るようにできた道。自然と空を見上げ深呼吸。「おおーーー気持ちいい」。色々な表情を見せてくれる森です。
- メモ 森林セラピー気分で登山が楽しめる道でリフレッシュには最高。とある小動物たちに遭遇?できます。登山道が楽しいので親子登山にも良さそう。
高松山に欠かせない「虫沢古道を守る会」
順調に登山が進んで、標識に到着。
整備の行き届いた登山道があるのは、冒頭でも紹介したヤマビル対策などをしてくださっている「虫沢古道を守る会」の皆さんのおかげです。
- メモ 国道246号が整備拡充にともない、“はなじょろ道”は狩人が通る“鉄砲道”と様変わりするなど一時は森林閉鎖となったことも。しかし、2009年、地元の道を復活すべく立ち上がったのが「虫沢古道を守る会」(山岸榮市会長)なのです。
標高450m付近。思わず「うわ!」と立ち止まってしまった達筆の標識も効果抜群です。
今日のように高松山の素晴らしい景色をハイカーに愛される登山道になったはなじょろ道。感謝とともに、優しさと人情味溢れる標識を横目に登山道をゆきます。
細い道かつ斜面が続く登山道もあり滑落の危険性もあります。十分足元に注意しながら登りましょう。
- メモ 足元には標高がわかるプレートが50m感覚で設置されています。「ちょっとバテてきたかも…」。モチベーションにつながる指標にも役立ちます。
少し登りが続きます。時折、鳥のさえずりも聞こえる静かな森の中。
「こんな山道を花嫁さんも通っていたんだよね。すごいな〜。俺たちもがんばろ」。虫沢古道を守る会の会長さんによると、山梨県道志村からも花嫁さんが通ったそうです。
みつまた群生地
花嫁さんへの思いを馳せていた矢先。みつまたの群生地が出迎えます。
毎年春に黄色い花を咲かせる「みつまた」。その季節ごとの移ろいを求め、山を登るのも楽しみの一つです。みつまたの群生地を後に、次なるポイント「ヒゴネ沢乗越」に向かいましょう。
すると…?
「あ、リスだ」「うさぎだ」
「え、どこに!?」と思わず発してしまったほど。「あら、こんにちは」。
- メモ 国内外のチェーンソーアート大会で活躍する山北町在住の彫刻家・蘭二朗さんの作品です。道行くハイカーたちの心もほっこり。
登山道の標識などにひょっこり現れます。標識の上に「ちょこん」と座る動物は…?
リス!
- メモ 「先に見つけられるのは誰かな?」なんて会話も楽しめそうな動物たち。高松山まで全部で何匹いるか探すのも楽しそう。
さくさく登ります
さあ、ここまで順調です。しばらくすると森を抜け、視界が開けました。
落ち葉を踏む音は、ヒーリング効果があるのだとか。ちょっと斜面が急です。がんばって登りましょう。
右側は傾斜地です。バランスを崩さないよう注意しましょう。
ヒネゴ沢乗越に到着
標高720m地点まで到着しました。高松山山頂まで、あともうひと息です。
- メモ ダルマ山、ジダンゴ山、秦野峠…まさに山の交差点。ヒゴネ沢乗越からは様々な登山道を目指せますが、道迷いに注意。登山計画とともに事前に地図でチェックして行きましょう。
ヒネゴ沢乗越にそびえるのは、ザ・登り!です。
心が折れそうな矢先。「高松山まで20分」の標識を発見し、心なしか足取りも急に軽やかに!?
- メモ 標高750m付近は、視界が開けるポイントも。が、キツい登りが続きます。
てっぺんに登り着くと、この標識があります。
注意!こちら、向かって左側に進みましょう。
ほどなくすると、奴さんが指差し確認。「この先岩場あり注意!」の標識。
「岩場発見しました!」
- メモ 安全のためロープが取り付けられています。しっかり持って、ゆっくり足を置きながら降りましょう。
林道にさしかかります。
「太尾山」に到着。標識を左手に見てまっすぐ進んでいきましょう。
頂上が見えて思わず笑顔に。
高松山山頂(標高801m)
高松山に登頂しました。ふたりとも良い笑顔です!
当日は、横浜から8年ぶりにやってきたという団体さんに遭遇しました。ピクニックテーブルで仲間とワイワイ、お天気も関係なく楽しそうです。
- メモ 山頂にはトイレはありませんのでご注意!早い者勝ち。1組限定のピクニックテーブルあり。
残念ながら曇り空であいにく富士山が見えませんでしたが…
じゃん!
晴れた日の高松山山頂から望む富士山です。麓まで雄大な富士山が見られる絶景ポイントです。
酒匂(さかわ)川や足柄平野も見渡せる山頂。お天気の良い日は、シートを広げるハイカーで賑わいます。
登山を終えて
ピストンで再び「はなじょろ道」を歩いて無事下山しました。かつて花嫁さんが通っていた山道は荒れ果てた時代もありましたが、地域の人に守られ、そして多くのハイカーに親しまれていることを実感。富士山の絶景はそのご褒美ですね。「色々な表情が楽しめる登山道で楽しかったね」「いつか花嫁さんと登って幸せになろう!」。
「お腹空いたーーー!」。時計を見るとちょうどランチタイム。グルメを探しに、商店街へと消えていきました。「次回は下山後におすすめの登山飯でも紹介したいですね~」。
お土産・特産品に!「松田ブランド」
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【動画編:11分30秒】はなじょろ道入口ー高松山
山ガール×高松山。御覧ください!