謎多きコレクター「招き猫亭」のコレクションを紹介する美術展が、2月2日(金)から藤沢市アートスペースで開催される。3月24日(日)まで。
今回のテーマは「ニャラティブ!物語から見る招き猫亭コレクションと現代作家展」。「猫」と「物語」にまつわる美術作品約100点を同館学芸員が「招き猫亭」コレクションの中からセレクトした。また、横浜を拠点とする現代美術作家「couch(浅尾怜子+宮﨑大樹)」の作品展示も行われる。
「源氏物語」の唐猫が登場する場面の浮世絵や、ラ・フォンテーヌの「寓話」の挿画としてシャガールなどが手掛けた銅版画など、古今東西の物語で活躍した猫の美術作品が並ぶ。また、横尾忠則や生田宏司など現代の美術作家の作品も多数展示する。企画した同館の竹上早奈恵学芸員は「コレクションのバラエティーの豊かさを体験しながら、猫の表情や行動に想像力を膨らませることができる」と見どころを解説する。
謎多きコレクター
猫を題材とした美術作品を集めて約40年。その顔、名前、性別、在所や来歴も明かされていない。2018年に、同氏から藤沢市に約630点もの美術作品が寄贈された。「こんな人がいるんだ、と驚いた」と竹上さんは当時を振り返る。
同館では、これまでも季節などを題材にした同寄贈作品の企画展を実施。今回で4度目となる。「収蔵されている作品はどれも興味深いものばかりで、これからも多様な切り口で紹介できる」と期待を込める。
現代作家の新作も
同時開催される「couch」の作品展では「寓話の寓話」と題し、描かれたヤマネコの動きをスリットアニメーション(縞模様のスリットシートを動かすことで絵が動いているように見える技法)で展開する。制作した意図について「空気や粒子に至るまで、世界を構成するすべての小さなストーリーを写し取りたい」と説明する。
入場は一般200円。高校・大学生100円。中学生以下無料。開館午前10時から午後7時。
関連イベント
関連イベントとして、2月10日(土)、24日(土)に出展作家によるトーク、22日(木)にはプレゼント企画、23日(金)と3月23日(土)にはワークショップも。3月2日(土)に市総合図書館ボランティアによるおはなし会、10日(日)に学芸員解説が行われる。問い合わせは同館【電話】0466・30・1816。