和光産業(株)とは
地元川崎市や横浜市など、主に神奈川県内でビルメンテナンス業を展開する和光産業(株)。もともとは1960年に川崎区大島で雑貨商としてスタートしました。
当初は商品の一部として清掃器具などを販売していましたが、様々な要望に応えていく中で、今では清掃業務のほか、設備管理業務、警備業務などの事業を手掛け顧客との信頼を築き上げています。「楽しくやりがいをもって働けること」を会社のモットーに掲げ、その言葉通り、約900人のスタッフがいきいきと働いています。代表取締役社長の矢口寛志さんは「自分たちの目の届く範囲でしっかりと、高い品質を維持していきたい」との思いから、事業は神奈川県内を中心としていると語ります。
「未来の子どもたちにきれいな地球を残したい」
「未来の子どもたちにきれいな地球を残したい」-。そんな思いから、同社はCO2削減と廃棄物ゼロの環境配慮を目指したビルメンテナンスを実践しています。
このうち、独自の特許技術で開発した「ワクスル・グリーンクリーニング」は水研磨でワックスを剥離、そこで発生する廃液を、おう吐物凝固剤の原料へリサイクルする資源循環型のサービスで、名称はワックスリサイクルとワクワクするという意味を掛け合わせています。2016年には「低CO2 川崎ブランド15」、19年には「川崎ものづくりブランド」に認定。
常務取締役の中西正敏さんによると、ビル清掃で使用する水・電気、及び排出される廃棄物にかかわる費用は、ビル入居者が管理費として負担していますが、中にはその費用負担を嫌うオーナーもおり、業界でも頭を悩ませているといいます。また、剥離廃液が下水道へ排水されることがあり、多くの自治体の問題にもなっています。「ワクスル・グリーンクリーニング」はこうした問題を解決する清掃サービス。同社では業界内に広く普及させようと「床ワックスをリサイクルする会」も設立。玩具やベビー用品の量販店や鉄道会社がこの取り組みに賛同し、廃液処理は南武線でも採用されています。
21年にはかわさきSDGsゴールドパートナー(川崎市SDGs登録・認証制度)認証を取得。同社では「SDGs」をテーマにしたイベントの出展や市内小学校などの出前授業にも力を注ぎ、ワックス塗布や廃液処理、リサイクル製品などの実験で環境配慮の大切さを説いています。
「麻生区内学校施設包括管理業務」
24年4月から3年間、川崎市から「麻生区内学校施設包括管理業務」を請け負い、麻生区内23施設・24校の維持管理や修繕業務等に取り組んでいます。この業務で求められるのは設備の不具合や簡易工事へのスピーディーな対応。同社は私立学校や病院などで蓄積した管理ノウハウや実績を基に、この業務に取り組んでいます。「すぐに対応してくれてありがたい」との喜びの声も寄せられているといいます。同業務は現在麻生区だけで行われていますが、「全市展開するロールモデルを作りたい」と意気込んでいます。
川崎を盛り上げる
地域になくてはならない環境先進企業として成長し続ける同社。近年はサッカーJリーグ1部「川崎フロンターレ」、男子プロバスケットボールBリー
グ「川崎ブレイブサンダース」、バレーボールSVリーグ女子「NECレッドロケッツ」のサポートにも貢献し、川崎を盛り上げています。矢口社長は「スポーツチームのサポートを通じて、子どもたちから選ばれる企業になりたい」と期待を込めます。川崎市市制100年を迎える中、同社は「川崎市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェア」に協賛。地域への恩返しとして「当社も100年企業を目指しています」と執行役員の矢口健人さんは力を込めました。