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ブームの先にあるものとは。茅ヶ崎の老舗キッチンカー「LocoKitchen」が走り続ける理由

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ブームの先にあるものとは。茅ヶ崎の老舗キッチンカー「LocoKitchen」が走り続ける理由

茅ヶ崎でキッチンカーを始めて18年。ハイクオリティなハワイアンフードで人気を博す「LocoKitchen(ロコキッチン)」をご存知でしょうか。

18年前といえば、移動販売を行う事業者はごくわずか。茅ヶ崎市内でも、彼らより業歴の長いキッチンカーは片手で数えるほどしかないです。 激動の市場を駆け抜けてきた店主・加世田剛(かせだたけし)さんに、これまでの歩みとキッチンカー業界の「今」、そして「これから」について話を聞きました。

憧れの海辺への移住、そしてキッチンカーとの出会い

加世田さんはもともと夫婦ともに埼玉県出身。「兄弟がサザンのファンだったこと」や「海への憧れ」から、海の近くへ移住したいと茅ヶ崎へやってきました。 そして、移住とともに選んだ新たな道がキッチンカーでの起業でした。

キッチンカーを選んだ理由は、初期投資を抑えられたことと、その機動力の高さ。

当初は現在のトラックタイプではなく軽自動車を使用しており、原則1品目しか販売できなかったため、看板メニューの「ロコモコ」のみで勝負しました。 その後、しらすハンバーグや地場野菜をふんだんに使ったサラダなどを取り入れながら試行錯誤を重ねます。車も3台目へと代替わりし、やがて現在のロコモコやモチコチキンを中心としたスタイルへと進化していきました。 開業間もなく大病を患い数ヶ月入院するという災難にも見舞われましたが、見事にそれを克服し、店を守り抜きました。

震災とコロナ禍で知った「機動力」の真価

事業を始めた当初は市内に出店できる場所が少なく、鉄砲通りのスーパークラウンや南口駅前のショップの一角など、数える程度しかなかったといいます。 転機となったのは、震災時に福島へ支援に向かった経験です。「困っている人のところにすぐに駆けつけ、温かい料理を提供できる」というキッチンカー最大の強みと社会的意義を強く実感しました。

そして訪れたコロナ禍。密室空間での飲食を避けるため多くの飲食店が休業を余儀なくされる中、オープンスペースで営業できるキッチンカーは時代のニーズに合致しました。食を求める人々の元へ駆けつける機動力が大いに発揮され、需要は爆発的に増加。新規参入者が殺到し、車両の納車に1年近く待つほどの異常な出店ラッシュが起きました。

湘南フードトラック協会の設立と業界の底上げ

このコロナ禍において、古株である加世田さんは自身の出店にとどまらず、業界全体の未来を見据えて動きました。 「機動力を活かせる出店場所を増やす必要がある」と考え、仲間とともに「湘南フードトラック協会」を立ち上げたのです。

湘南フードトラック協会が手掛けたイベントの様子

スーパーやホテル、ゴルフ場、さらには市役所前など、次々と新たな出店場所を開拓。これにより、新しくキッチンカーを始めた事業者でも市内で営業できる下地を作り上げました。 イベントに複数台が出店する際は、来店者のニーズを踏まえてメニューの偏りをなくし、全体のクオリティ管理を徹底しています。市役所前で開催された「キッチンカーウィーク」で毎日3〜4台が出店し大好評を博したのも、こうした地道なマネジメントの賜物です。

ブームから定着へ。多様化するキッチンカーの現在地

では、コロナ禍が明けた今、キッチンカー業界はどうなっているのでしょうか。加世田さんによると、一時期のブーム的な増え方は落ち着き、現在は各店舗がそれぞれの強みを活かした「多様化」のフェーズに入っている、といいます。特定のイベント会場で効率よく販売するスタイルや、独自のコンセプトで熱心なファンを築くスタイルなど、戦略はより細分化されています。

撤退する店舗もあれば、大手外食チェーンがキッチンカー事業に参入してくるケースもあり、多様化と競争の激化が顕著になっています。 特に出店場所を借りる立場の事業者にとっては、人件費、原材料費、燃料費の高騰に加え、出店料の値上がりも重なり、利益が圧迫される厳しい時代に突入したと言えます。

それでも走り続ける理由、茅ヶ崎への想い

逆風とも言える状況下で、それでも加世田さんがキッチンカーを続けるのには明確な理由があります。

一つは、災害対応です。「いざ茅ヶ崎で災害が起きた時、真っ先に駆けつけて困っている人に食事を届けたい」という思いから、令和4年に協会と市で「災害時におけるキッチンカーによる炊き出しの実施等に関する協定」を結びました。

協定締結時に茅ヶ崎市長と

もう一つは、次世代の事業者を支えることです。協会を通じて、高くなりがちな手数料を極力抑えた形で出店場所を提供し、新しく始める人が事業を継続しやすい環境を整えようと奔走しています。

「茅ヶ崎はキッチンカーが多い街。色々なプレイヤーが色々なイベントや事業で顔を合わせる。今は東京や横浜のような経済集約地に出店が偏りがちだが、茅ヶ崎のポテンシャルを存分に発揮できるよう頑張りたいです」

先駆者としての責任と、茅ヶ崎への深い愛情。老舗キッチンカーは今日もこの街を走り続けます。

インスタグラム:https://www.instagram.com/loco_kitchen_bus/

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住所

神奈川県茅ヶ崎市

公開日:2026-06-16

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