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お母さんを笑顔にしたい。小さな子どもの一時預かり「たんぽぽはうす」。<わたしの茅ヶ崎暮らし>

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茅ヶ崎市菱沼在住 竹内あき子(たけうち・あきこ)さん
小学校高学年から茅ヶ崎に暮らす。小さな子どもの一時預かりを行う「たんぽぽはうす」理事長。「たんぽぽはうす」では、子どもの一時預かりの他にも、学校を休みがちな子どもたちのための居場所として開放するなど、さまざまな活動を行っている。茅ヶ崎市出身の夫と4人の子どもとの6人暮らし。

「もっと気軽に預けられる場所があったら」。自身の子育て中に感じた思い。

市内香川にある「たんぽぽはうす」は、民家を借りて未就学児の一時預かりを行ったり、地域の人が集まる場所としてフリースペースを開放したりしている。「たんぽぽはうす」に1歩入ると、まるで田舎のおばあちゃんの家に来たようななつかしさと、「ただいま〜」と言いながら靴を脱ぎたくなるアットホームな雰囲気を感じる。「どうぞ〜」とにこやかに迎えてくれたのは、「たんぽぽはうす」理事長の竹内さんだ。「理事長と言っても今はたまたま私が当番なだけで、持ち回りで交代制なんですよ」と笑う。

竹内さんは、この活動をする前にも、「茅ヶ崎に冒険遊び場をつくろう会」に参加して活動するなど、子育て支援に関わっていた。そのきっかけは、自身の子育て中に感じた想いがあったからだと言う。

「私が子育てをしていた頃は、時代の空気もあると思いますが、お母さんの都合や気持ちは二の次で、どれだけ大変でもなかなか弱音を吐いたり頼ったりできる場所がなかったんです。もっと気軽に預けられる場所、話せる場所があればと感じた経験から、子育て真っ最中のお母さんたちの助けに少しでもなれればと、活動に参加することにしました」

子どもを預けるのはどんな理由でもO K。年中無休の子育てをサポートしたい。

「たんぽぽはうす」は、子育て支援を行うNPO法人ワーコレたんぽぽひろばが主宰。子どもの一時預かりだけでなく、誰でも訪れることができるストレッチ教室を行ったり、夏休みの宿題を持ちよって勉強する場を提供したり、学校を休みがちな子どもたちのための“居場所”として開放したりとさまざまな活動をしている。

コロナ禍以前にはみんなで料理をしたり、流しそうめんやお祭りなどのイベントを開催したりもした。みんなで「たんぽぽはうす」内の土壁をリフォームしたこともいい思い出だ。

「急な仕事が入ったときや、上のお子さんの行事で下の子を預けたいという方、美容院に行きたいという人など、どんな理由でも大丈夫です。子育ては24時間休みがないので、息が詰まってしまったとき、たまには一人でのんびりと家のことをしたい方が利用してくださることもあります」

今はコロナの影響で中止しているが、以前は300円で食べることができるランチを振る舞い、好評だった。畳に座ってわいわい話していると、いつの間にかリラックスしてついつい長居してしまう。子どもだけでなく大人もくつろげる、そんな場所なのだ。

悩みを抱えるお母さんたちが集うカフェは、自身の経験から生まれた。

この場所をどんな風に活用するかは、スタッフみんなで企画を出し合う。毎月1度開催している不登校の子どもをもつお母さんたちのお茶会は、竹内さんの発案だった。

「実は私の子どもにもそういう時期があって、かつては当事者だったんですね。そのとき、私にはありがたいことに仲間がたくさんいて、同じ境遇のお母さん同士のコミュニティがあったんです。皆で集まって、心の内を聞いてもらったり、愚痴をこぼしたり、その時間に私はすごく救われました。

今悩んでいるお母さんたちにも、そんな場があればと思って企画しました。お茶を飲みながら雑談をしたり、進学についての情報をシェアしたり。大人も楽しまなきゃね、と言い合いながら集まっています。コロナ禍以前のことですが、10時に集合してお昼にカレーを食べて、気づけば夕方ごろまで喋っていた日もありましたね(笑)」

運営する上で大事にしていることに「子育て支援は、親の支援」という考えがある。お母さんが笑顔で過ごせることを大切に、そのためにはどんな場があったらいいか、それを念頭にスタッフは企画を考えているという。

そんな発想から生まれた企画で大好評だったのが「癒しのおうち」。お母さんたちを癒そうと、5人のマッサージ師に来てもらい、お茶とケーキを用意してワンコインで提供。「お母さんたちの楽しそうな顔が見ることができて、とてもうれしかったです」

口を出さずに見守ることの大切さ。

「たんぽぽはうす」で子どもと過ごす時間が、日々の活力だという竹内さん。自身の子育てのときと比べて何か変わったことはあるか聞いてみた。

「自分のときは、いっぱいいっぱいでしたが、その頃に比べると今は余裕があると感じます。たとえば、子ども同士のケンカが起きたとき、自分の子どもの場合は相手の親御さんの手前もあって、止めなきゃ!とすぐに口を出していましたが、今は『好きなだけやったらいいよ〜』と、できるだけ口を出さずに見守るようにしています。そういう余裕が当時の自分にもあれば…と今になって思うのですが(笑)」

見えなくても、いつも感じている「海の存在」

小学生のときから茅ヶ崎に暮らしていたという竹内さん。「私のようにずっと地元にいる人も多いですし、戻ってくる人もたくさんいます。茅ヶ崎の心地良さは“海”の存在も大きいですね。私の自宅からは海は見えませんし、そんなにしょっちゅう足を運ぶこともないのですが、見えなくても『近くに海がある』ことが心の片隅にあるだけで、気持ちに余裕をもたせてくれている気がします」

「心に海がある安心感」。ひょっとしたら茅ヶ崎に暮らす人たちが共感できる感覚かもしれない。

竹内さんの毎日は忙しい。平日はほぼ毎日「たんぽぽはうす」へ行く。そして夕方帰ってきてからは、自分の主婦業が始まる。今、いちばん好きな時間は「ベランダでコーヒーを飲むとき」だそう。「うちは子どもが4人いて、家の中には一人になれる場所がなく(笑)、唯一一人になれる場所がベランダなんです。夕食後、息子が入れてくれたコーヒーを持って上がり、ベランダで星を見ながらひと息つく瞬間が幸せです」

今後は「たんぽぽはうす」にもっといろいろな世代の人が集ってくれるとうれしいと語る。また、市内でさまざまな“居場所”を主宰している人たちとのつながりも生まれ、そこからも大いに刺激をもらっているのだとか。

「皆さん本当にパワフルでユニークなんですよね。お互いの施設を見学しあったり、オンラインで顔を合わせて情報交換をしたり、茅ヶ崎全体で盛り上がって行けたらいいなと思います。そして、茅ヶ崎が『子育てするのにいい環境、子育てしやすい場所』として多くの人に知ってもらえたらうれしいですね」

Information
地域のホッとスペース たんぽぽはうす
https://m.facebook.com/npotanpopohiroba/

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公開日:2021-04-01

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