子どもがいる家では、静かな時間は貴重です。
遊んでいる声がしない。走り回る音もしない。「ねえ!」も聞こえない。平和です。
コーヒーでも飲もう。そう思いました。
……。静かです。静かすぎます。
さっきまであんなに騒がしかったのに。こういう時、なぜでしょう。嫌な予感がします。
そっと部屋をのぞきました。いました。床に座っています。ものすごく集中しています。
何をしているのか近づいてみると、ティッシュを一枚ずつ箱から出していました。丁寧に。黙々と。職人のようです。
「何してるの?」
聞くと、
「雪。」
床一面にティッシュの雪が積もっています。季節は夏です。
「これ、どうするの?」
「遊ぶ。」
そうですか。こちらとしては、できれば箱に戻したい。
別の日も静かでした。
今度は油性ペンを持っています。嫌な予感の種類が変わりました。
「何してるの?」
「絵描いてる。」
紙に。よかった。心からそう思いました。
静かだからといって、毎回事件が起きるわけではありません。
でも一度でも経験すると、静かな時間ほど気になります。
ガサッ。
何か音がしました。見に行きます。何もありません。
また静かになります。気になります。見に行きます。
「何?」
今度はこちらが聞かれました。いや、別に。確認です。
そういえば子どもの頃、
「静かにしなさい」
とよく言われた気がします。
静かにしていたらしていたで見に来られる。
子どもからすれば、なかなか大変だったのかもしれません。
その日の夕方。
また部屋が静かになりました。
そっとのぞくと、寝ていました。
何もしていません。安心して部屋を出ました。
……。
でも念のため、ティッシュの箱だけ確認しました。
あなたの家では、静かな時に何が起きていましたか。












