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さかえの商店街探訪!Vol.9「新大船商店街の『これまで』と『これから』」

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さかえの商店街探訪!Vol.9「新大船商店街の『これまで』と『これから』」
シャッターを下ろした店が増えている新大船商店街

 コラムの第9弾に登場するのは犬山町にある「新大船商店街」で会長を務める大﨑拓真さん(写真左)と、同商店街で中村薬局を営む中村友彦さん(右)。設立から50年を迎えた同商店街の『これまで』の歩みを振り返ると共に、『これから』の展望を語ってもらいました。

大﨑さん(左)と中村さん(右)

新大船商店街について

栄区商店街MAP

栄区の東部、犬山町にある「新大船商店街」。本郷台駅や港南台駅からは約3km離れた場所に位置し、周囲は閑静な住宅街に囲われています。1975年の設立から50年を迎えたこの商店街も、時代の変化とともに加盟店舗の減少や高齢化といった課題に直面しています。

かつての賑わいと時代の変化

まずは、新大船商店街の歴史と設立当時の様子について教えてください。

大﨑: 新大船商店街は1975年にできて、50周年を迎えました。犬山町周辺の開発が進み、周囲の人口が増えている時期のことでした。当初は全28店舗あって、ものすごく活気がありましたよ。八百屋さんも魚屋さんも肉屋さんも2店舗ずつあって、惣菜屋さんやパン屋さん、雑貨屋さんまで何でも揃っていました。「わざわざスーパーまで車で行かなくても、ここに来れば生活に困らない」という、地域に密着した商店街でした。

中村: 僕がここに来る前にも、先輩の薬剤師さんたちから「昔は何でも揃うすごい商店街だったんだよ」という話を聞いていました。

大﨑: 夏祭りも前は毎年盛大にやっていてね。地域の子どもたちもたくさん集まって大賑わいでした。

多くの人で賑わった夏祭り

そこから店舗が減少し始めたのはいつ頃からだったのでしょうか?

大﨑:だいたい2000年代の初頭、20年ほど前から少しずつですね。一斉に閉まったわけではなく、数年かけて徐々に減っていきました。現在は5店舗が営業しています。近隣にスーパーができた影響もありますが、主な要因は「二代目の後継者不足」と「住民の高齢化」でした。周辺住民の高齢化により、車やバスで移動する人が増え、日中の人出がまばらになっていきました。

商店街としてのポテンシャル

中村さんは6年前にこの商店街で薬局を開業されました。この場所を選んだ経緯をお聞かせください。

中村:場所に関係なく自分の力で本格的に訪問薬局をやりたいと思っていたんです。そんな時、「新大船商店街で店舗が空く」という話を聞いて手を挙げました。

大﨑: 昔からあった薬局を引き継いでくれたんだよね。

中村:そうなんです。最初は訪問薬局をメインに、店舗の方はゆっくりやろうかと思っていたんですが……いざ開業してみたら、店舗に来てださる住民の方も多くいて。

新大船商店街に来るまでの経緯を語る中村さん

中村:おかげさまで、多い日は30人以上が来店してくださる時もあります。嬉しい悲鳴なのですが、最初の2年くらいは中の業務を回すだけで手いっぱいでしたね。駅からは少し離れていますが、「家の近くで気軽に調剤してもらえる薬局」として地域の方に重宝していただけているのは本当にありがたいです。

大﨑:商店街の近くで定期的にパン屋が出張販売に来るのですが、人が並んで繁盛している様子でした。確かに高齢化は進んでいますが、周囲は住宅街ですので多くの人が暮らしています。中村さんの薬局やパン屋の出張販売が人を集めていることから、商店街としてのポテンシャルはまだ残されていると思います。

街おこしへの課題

商店街の店舗数が減っていく中で、これまでどのような取り組みを行ってきたのでしょうか?

大﨑: 前会長の時代には「このままじゃいけない、イベントをやろう」ということで、夏祭りや朝市を開催しました。2017年にやった「朝市」はメディアに取り上げられるほど注目を集めてね。3,000人近くの来場があって「朝市の奇跡」なんて呼ばれたこともありました。

大崎: 県内各地からキッチンカーや出店者が来てくれてね。活気が溢れるイベントになりましたが、継続的な開催までには至りませんでした。また、裏で手伝うスタッフの確保や安全管理の点でも一苦労がありました。

賑わいを見せた朝市

中村: 今はシャッターが閉まっている店舗も、実際には売りに出ておらず、倉庫として使われているケースが多いんです。

大﨑:そうなんですよ。実質的に新しいお店が参入できる空き店舗がほとんどないのが現状です。だから「新しい店舗をどんどん増やして商店街を盛り上げる」というのは、物理的にもハードルが高いんです。

物理的な店舗増が難しい中で、今後この商店街はどのように歩んでいくべきだとお考えですか?

大﨑:できる範囲でイベントを開催して、地域の皆さんに楽しんでもらうのが一番かなと思っています。実は最近も「日曜日にこの商店街のスペースを使ってイベントを開催したい」という相談を受けているんですよ。

中村:いいですね。私もそういったイベントごとで外から人が来たり、賑やかな音が響いたりするのは大好きです。人が集まるきっかけ作りにはぜひ協力したいです。

今後の展望を語る大﨑さん

大﨑: 近所にはまだたくさんの住民が住んでいますし、日用品や食べ物を買える場所、立ち寄れる場所としての需要はあるはずです。そして私は、街に人が集まってガヤガヤと楽しそうにしている姿を見るのが、何より好きなんです。協力してくれる仲間を募りながら、また小さくてもみんなが笑顔になれるようなイベントを企画していきたいですね。

  • 設立から半世紀を越え、時代とともにその姿を変えてきた新大船商店街。現在、営業する店舗こそ少なくなりましたが、そこにはイベントの開催などで再び賑わいを取り戻そうとする人の姿がありました。

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住所

神奈川県横浜市横浜市栄区犬山町31−9

公開日:2026-09-30

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