買い物の帰り道。子どもが少し前を歩いています。
荷物を持って、こちらは後ろからついていきます。ふと思いました。最近、
「抱っこ。」
って言われてないな。昔はあんなに言っていたのに。
駅から家まで。公園の帰り。眠くなった時。疲れた時。
なぜか元気な時まで。
「抱っこ。」
こちらが荷物を持っていても関係ありません。
「重いよ。」と言うと、
「重くない。」
いや、重いです。そこは持っている側が決めます。少し歩いては、
「もう歩けない。」
抱っこすると元気になります。そして家に着く直前、
「降りる。」
歩けるんかい。
そんな毎日だった気がします。
なのに、いつの間にか言わなくなりました。
最後に抱っこしたのは、いつだったのでしょう。覚えていません。
「今日で抱っこは最後です☆」
なんて日はありませんでした。
いつものように抱っこして、いつものように降ろして、それが最後になった。
そう思うと、少しだけ不思議です。
前を歩く背中を見ると、昔よりずいぶん大きくなっています。
こちらがそんなことを考えていると、急に振り返りました。
「ねえ。」「なに?」
「荷物持って。」
……。
抱っこは卒業しても、荷物は持たされるようです。
「自分で持てるでしょ。」
「重い。」
さっきまで普通に持っていました。結局、こちらの荷物が一つ増えました。
子どもは身軽になって、また先を歩いていきます。
昔は子どもを抱えて歩いていました。今は子どもの荷物を抱えて歩いています。
あまり変わっていない気もします。
あなたが最後に子どもを抱っこした日のこと、覚えていますか。












