財産管理や相続対策といった「終活」に取り組む人が増える中、「生前整理、相続手続き、不動産売却まで、トータルでサポートします」というのは一般社団法人横浜市終活相談窓口。司法書⼠や不動産売買の専⾨家、遺品整理優良事業所がメンバーで、終活をサポート。弁護士や税理士とも連携しています。
多くの相談に応じている司法書士の田中弘毅さんによると、「夫や親がなくなった後の自宅に関する相談が多いです」と言います。例えば、数年前に夫に先立たれた70代の女性から「夫の名義のままになっている自宅の土地の相続人を息子に変えたいのだが、どうすればいいのか」という相談があったといいます。田中さんは「分からないまま放置している方が多いです。家族構成などによって対策は変わります。まずはご相談ください」と話しています。相談は無料です。
ここでは横浜市終活相談窓口の専門家に聞いた終活に関するあれこれを紹介します。
最期まで自分らしく充実した人生に必要な「終活」とは
近年「終活」という言葉を耳にする機会が多くなってきました。「終活」とは、「自身又は家族の死と向き合い、人生の最期を迎えるための活動」のことを言います。一言で表していますが、死生観や死に対する考え方など、年代や人によって様々です。
最期まで自分らしく充実した人生を送る為に必要なこと。また、残された人たちに向けて残す物を明確にしておく必要があります。
一般社団法人横浜市終活相談窓口は「終活」を行うにあたり「不安」や「わからない」を各専門分野のエキスパートが多方面に渡り「終活」へのお手伝いを行っています。
【ここで紹介している内容】
●終活に備えるべき3つの理由
●終活に必要な備えの種類
●生前整理・遺品整理・不用品回収
●相続対策・法律相談
●不動産の売却・処分
●身元保証・身元引受人のサポート
●家族信託・任意後見制度・成年後見制度
終活に備えるべき3つの理由
終活は、大きく分けて以下の3つの理由で必要になると言われています。本人や家族が少しでも何か心配があるようでしたら、終活を考えてみるタイミングかもしれません。
終活に必要な備えの種類
終活に必要な備えの種類は▽生前・遺品整理▽法律相談▽不動産の処分▽身元保証▽介護施設探し▽お墓探しーなど、多岐に渡ります。それぞれの分野に詳しい専門家に相談しながら、あらかじめ備えておきましょう。横浜市終活相談窓口には、各専門家がスタッフとしているので、お気軽に相談してみてください。
生前整理・遺品整理・不用品回収
生前整理
体が元気なうちに“もしも”のことを考えて、身辺や財産、家財等を整理することを言います。若い世代や40代から50代、高齢者の方も利用を始めている終活の一つの方法でもあり、最近では一般的になりつつあります。
遺品整理・不用品回収
親族や身内の方が亡くなった時に、その方が生前に使っていたものを整理することです。遺品とは、身の回りの物や日常的に使っていた物、大切にしていた物や家族のために残した財産など、その方に縁のある物の全てを指します。
故人の遺品整理をする機会は、それほど多くはありませんね。そのため、いざ自分でやることになったら、多くの方がどうしていいか分からずに困るでしょう。そんなときに横浜市終活相談窓口のスタッフが手伝ってくれます。
■遺品整理 作業の流れ
相続対策・法律相談
相続の対策とは、 将来、親族間(法定相続人)で揉めないよう、 相続に備えることを指します。相続の手続きは「家族の絆が深まる機会」になることもあれば、 分割で揉めてしまい「一生許さない絶縁のきっかけ」になることもあります。相続をどのようにしていくのかは、財産を所有する人の権利でもあり、責任でもあると言えます。生前の用意がないと、残された家族は迷い、主張し、争うことになってしまいます。
遺言について
自分の死後、「意思を家族に伝える」または、遺産分割の争いにならないよう、生前から相続の方法を決めておく。これが『遺言』です。
死後事務委任制度
あらかじめ伺った本人の希望に沿って死後の手続きを代行することが可能です。希望する葬儀や埋葬方法等を、頼む者がいない場合、専門家等と契約を結ぶことが可能です。
相続に関する事例
相続の手続きは、次のようにさまざまなケースがあります。トラブルにならないよう、あらかじめ準備しておきましょう。
- こう備えておけば良かった
相続資産を早期に把握した上で、法定相続人が揉めないよう「遺言」を残し、遺産の分割方法を指定しておくべき。また、相続財産が不動産しかないので、生命保険などを利用し、相続対策をしておければなお良かったですね。
- こう備えておけば良かった
相続資産を早期に把握した上で、法定相続人が揉めないよう「遺言」を残し、遺産の分割方法を指定しておくべき。また、相続財産が不動産しかありませんので、生命保険等を利用し、相続対策をしておければなお良かったですね。
不動産の売却・処分
老後資金を得るための不動産売却サポート
人生100年時代と言われ、人生のうち「老後」と言える期間が長くなってきました。それに伴い、「住む家はあるけれど、老後の蓄えが心配」という人も増えています。特に住宅ローンが払い終えていない方は、より切実な不安を抱えているのではないでしょうか。老後資金を得るために、家を売却するという選択肢があります。不動産価値のあるうちに売却することで、まとまった金額を得ることができ、それを老後の生活費にしたり、介護施設への頭金に充てたりすることができます。ひとくちに家を売るといっても方法はさまざまであり、大きく次の2つが挙げられます。
- リースバック
リースバックとは自宅を売却して現金化し、売却後も住み続けることができるサービス。住み慣れた自宅で生活しながら、まとまった資金を調達することが可能です。所有権が不動産会社に移動することで、固定資産税や修繕費などの支払いが不要になります。税金などの負担が抑えられることは大きな魅力です。
- 単純売却
「自宅に住み続ける」というこだわりがないのであれば、手持ちの不動産を売却することが、もっともシンプルに老後資金を得る方法と言えます。 リースバックとの大きな違いは「住む場所が変わる」ことです。
それぞれで資金獲得の方法は異なり特徴も違うため、状況に合った方法を見つけることが大切です。また、現在は住んでいない遠方に所有している不動産、賃貸中のアパート、建物が古くなって空家になっている土地等々でも価値のある不動産に変わりはありません。ゆとりあるセカンドライフの為に、所有している不動産を活用しましょう。
「所有不動産を老後の資金に」と考えている方は、まずは査定をして価格を知ることが大事です。横浜市終活相談窓口には専属の不動産プロフェッショナルスタッフが在籍。「まずは無料査定を」と呼び掛けています。
身元保証・身元引受人のサポート
老人ホームや医療機関(病院など)が責任を負え ない事態、あるいは運営や治療行為に支障がある事態に対しその責任を負うのが、身元保証(身元引受人)です。
■身元保証の手続きの流れ
家族信託・任意後見制度・成年後見制度
家族信託
近年、後見制度や遺言と比較され話題になっている「民事(家族)信託」という制度があります。この制度は、他人に依頼する「委託者」依頼される者「受託者」信託契約によって利益を受ける者「受益者」という三者間で法律関係が成り立ちます。
任意後見制度
任意後見制度とは、本人の判断能力が衰える前に将来自分の判断能力が不十分になった時「誰に(後見事務を任せる相手)」「どのような(後見事務の内容)」サポートをしてもらいたいのか、契約で決めておく制度です。後見制度は、認知症などで判断能力が低下した場合に備えるものですが、最大限、本人の意思決定(本人の事前の意思表示)の尊重を図っていることが「任意後見制度」の最大の特徴です。
成年後見制度
法律行為(売買、契約など)をする場合、本人が行うのが原則です。しかし、行為時に本人の判断能力が低下している場合には、この意思決定が難しくなります。成年後見制度は、判断応力が低下した人の意思決定能力を補って、本人の権利を守り、損害を受けることのないように考えられた制度です。
後見制度について、横浜市終活相談窓口のスタッフが動画で詳しく解説
財産管理委任契約
自身の判断能力がしっかりしている間も、信頼のおける人に財産管理を委任する契約です。心身の衰えにより、日常的な財産管理を行うのが難しく感じる方にとって便利な契約です。また、任意後見契約と併せて取り交わすことで、判断能力がしっかりされている間は財産管理委任契約、判断能力が衰えた後は任意後見契約によって、一貫して財産の管理を委任することが可能になります。
文字にすると難しいと感じるかもしれませんが、田中さんは「ご自身で悩まずにまずはお電話でご連絡を」と話しています。オンラインによる相談も対応しています。