出産後、働く子育てパパ・ママが最初に悩む保育園問題。生まれたばかりの大好きな我が子を家族以外に預けるという、実は人生においても大事な出来事の一つでもあります。
保育園と一口に言っても様々な種類がある中、今回は横浜市における「小規模保育園」について、卒園したての息子のいる子育て現役世代の記者が、ご紹介します。
正直、目からウロコでしたので、ぜひ保育園選びの参考に、最後までお読みください。「小規模保育園」の見方が変わるかもしれません。
<目次>
●小規模保育って何?
●メリット①距離が近い
●メリット②一人ひとりに合わせた保育
●メリット③保護者との関係も近い
●利用者の声
●デメリットかもと思われがちな部分
●まとめ
【小規模保育って何?】
まずはそもそもの説明から。正確には「小規模保育事業」と呼ばれています。
「小規模保育事業」とは…
平成27年4月から始まった子ども・子育て支援新制度の中で、市町村の認可事業(地域型保育事業)の1つとして新たに作られた事業です。
0~2歳児を対象とした、定員6~19人の比較的小さな施設であり、規模の特性を生かしたきめ細かな保育を実施しています。(横浜市ホームページより抜粋)
つまり小さくて、2歳児までしか預かってもらえない保育園なのです。そう聞くと、良いところではなさそうですが、小規模保育の名前だけ聞いたことのあるパパやママたちはきっと、
「3歳児からどうするの?」「小さいから園庭とかもないだろうし、しっかり体は動かせるのかしら」「転園で友だちと離れ、環境が変わるのってどうなの?」
などと言ったネガティブなイメージが多いのではないでしょうか。
しかしながら、保育園を探す子育て中のパパさん、ママさん、ここからが必見です。実際見てきたら、そんなことはありませんでした。
- 横浜市鶴見区内(JR鶴見駅東口そば)の小規模保育園に潜入してきましたので、現場からの声も交えて、小規模ならではの良いところ、解説していきます。
メリット①距離が近い
- まず、最大のメリットは、保育士と園児との距離の近さです。そのため、一人ひとりに対して丁寧な対応ができる点がメリットです。
お邪魔した小規模保育園は、1歳児4人と2歳児5人の定員9人に対し、保育士3人と保育補助2人が常時保育。園児2人に大人が1人つくという手厚さです。
大規模保育園なども経験してきたという園長先生は「災害時など、いざという時は少人数のため、子ども全員をしっかり把握し、守ることができるんです」と胸を張っていました。
- 目だけでなく、手も届く距離のため、変化に気づきやすく、ケガやトラブルなども防ぎやすいと保育士さんたちは話します。
日中、子どもたちが過ごす保育室は、小規模ならではのワンフロア。ほとんどの小規模保育園が同様ということですが、伺った園はおよそ15畳ほどの保育室を可動式の低いガードで区切って使用していました。
メリット②一人ひとりに合わせた保育
これだけ近くでゆったりと保育ができる小規模保育園。
- 「子どもたちの個々の動きに合わせられる」というメリットがあるそう。
例えばお絵描きの時間や、絵本の時間などと保育内容でわけるのではなく、子どもの好きなことや興味関心を止めずに保育できるというのが利点だそうです。
- 一人ひとりと密に長くかかわることができるので、「慣れや自立も早い」と園長先生。
手洗いやトイレなど順番になると、どうしても『ちょっと待ってて』が多くなりがちな集団保育の現場ですが、小規模保育園は人数が少ない分、「待っている時間が短い」といいます。
メリット③保護者との関係も近い
- 近いのは園児だけではなく、保護者とも。「一人にかかわる時間が長いので、より一緒に育てている感覚」と保育士さんの皆さん。
保育士さん全員が、すべての園児を長い時間見守ることができるからこそ、朝や夕方の送迎の時間が育児相談の場にもなっているそうです。まさに「小規模保育園ならでは」です。
実際利用しているお母さんたちは、「朝預けた先生が帰りまで居てくれるので、一日の姿が具体的にわかって安心」と口を揃えていました。
利用者の声
【寄り添い、自立をうながしてくれる】
ほかの園の見学もしながら、小規模保育園を選んだというママさん。子どもの人数に対して、見守る目が多いことが決め手だったといいます。
「大人数の中でより、数人の中でなので、より自立をうながしてもらえる」
3歳児以降の転園など、不安もあるといいますが、「新しい友だちが出来るからと、前向きにとらえています」とのことです。
【きめ細やかさを感じました】
小規模保育園のことは知らなかったというお母さん。見学時に、園児に対する近さからか、きめ細やかさを感じたとのこと。
「2歳児までは小規模で他人とのかかわりなどを学んで、本当の集団生活は3歳児からでいいかな」と話します。
朝ぐずっていて気になっていた日中の様子を聞けるのも安心だそうです。
小規模ならではのコンパクトさで、より家庭に近いアットホームな環境での保育を可能とする小規模保育園。それでも、デメリットと思われがちなところもあります。
デメリットかもと思われがちな部分
- 2歳児までしか通えないのでは?→小規模保育園から認可保育所等への進級率は100%!(令和3年4月実績)卒園後は連携園があります。
- 園庭がなく、運動が難しいのでは?→晴れた日はほぼ毎日、公園へお散歩。交通ルールも学びながら、さまざまな刺激を受けることができるといいます。雨の日も、ワンフロアをふんだんに使って、室内で遊ぶのだとか。
【まとめ】
保育の経験豊富な園長先生いわく、小規模保育園の良いところは「保育園の良さと家庭の良さ、両方を味わえるところ」。
横浜市鶴見区では、これまでに約400人の子どもが小規模保育園を卒園しているそう。もちろん、人によって合う合わないはありますが、保育園を選ぶ際の選択肢の一つに加えて損はありません。在宅ワークの方、求職中の方、まずはお近くの区役所にご相談を。