あざやかな海や、きらびやかな花火、夕焼けに照らされた砂浜…これら色とりどりの景色はすべて「古紙」から作られています。
手掛けるのは、リサイクルアーティストの古市登さん(86/柳島在住)。新聞や雑誌、チラシ、パンフレット、カタログなど、さまざまな紙の一部を切り貼りして、作品を生み出していきます。
7月1日から4日には、サンノイチ(浜見平)で展示会を実施し、古紙から生み出すアートの魅力を伝えていました。「まず紙を見て『この素材で何が描けるか』と考えます。そこから手を動かし、実際の形にしていくのが楽しいですね」と話します。
新たな命吹き込む
リサイクルアートと出会ったのは定年退職後の65歳。「それまでは、まったく美術の経験はなかった」とのことですが、捨てられるはずの古紙に「新たな命」を吹き込む作業に魅了され、のめり込むようになりました。
長年千葉県に住み、84歳の頃、妻の入院に伴い茅ヶ崎へ。湘南で得られる海のイメージは、作風の幅を広げているそうです。千葉県時代は教室を開いており、「コロナが落ち着けば、茅ヶ崎でも開きたい」と古市さん。「古紙が持つ特有の彩りや、創作することの魅力を共有できれば」とニッコリ笑いました。