江の島の誕生や江島神社の由来を描いた藤沢市指定重要文化財「江嶋縁起絵巻」が遊行寺宝物館(西富)で特別公開されている。現在同館で開催中の特別展「江の島」の一環で10月4日まで。
江島神社の成立過程を
江嶋縁起絵巻は江戸時代初期に狩野派の絵師、狩野興也が描いた全5巻からなる絵巻。五つの頭を持つ龍と天女による江の島創造の物語や役行者、泰澄、弘法大師などの高僧によって建立される江島神社の成立過程が描かれている。
神仏習合の世界観を美術品で体感
同館は昨年、江の島で東京五輪セーリング競技に合わせて特別展を企画。今夏に延期されたことに伴い、江島神社や市観光協会の協力で今年3月に修復が完了した同絵巻を目玉として加えることになった。会場では、源頼朝が奥州藤原氏の討伐の際に寄進したとされる「金亀山石額」や正倉院宝物を元に製作された五弦琵琶などの名品も初公開。同館の遠山元浩館長は「江の島は歴史的に遊行寺ともゆかりが深い。神仏習合の世界観を美術品を通じて体感してもらえれば」と話した。
開館は火・水・木曜を除く午前10時から午後4時30分(入館は4時まで)。入館料700円(中学生以下300円)。江の島と藤沢を巡るスタンプラリーも同時開催している。問い合わせは同寺【電話】0466・22・2063へ。