茅ヶ崎漁港沖は、実は「天然伊勢海老の隠れ漁場」だって知っていますか?
ところが、コロナの影響で、これまで卸していた箱根や小田原の旅館・レストランなどへの供給がストップ。買い手が激減してしまったそうです。そこで、この危機を乗り越えようと、地元漁師の田中雄太さん(38)がクラウドファンディングに挑戦。朝獲れを直送し、家庭で味わってもらう企画を2022年1月31日(日)まで実施しています。
主な支援プランは、伊勢海老2尾セット(6,200円)をはじめ、サザエ6個付きセット(8,200円)、茅ヶ崎〜江の島周遊プラン日帰り付きセット(2名様・18,000円)など、5パターンから選択可能です。
業者へのマージンが無いため低価格で提供できるほか、直送のため鮮度も抜群!田中さんは「身は弾力があり、プリップリの食感、濃厚な甘みが自慢です。ぜひ茅ヶ崎の伊勢海老を味わって欲しい」と呼び掛けています。
伊勢海老に「夢」託し
長らく茅ヶ崎漁港の釣り船の船長を務めてきた田中さん。2021年夏、夢だった「伊勢海老漁」に専念するために漁師に転身しました。愛船『雄満丸(ゆうまんまる)』で海へ繰り出す日々です。しかし、コロナ禍で市場価格が下落。「週末は江の島でキッチンカーを出して、しらす丼やサザエの販売もしているけれど、このままでは生活が厳しいよね」と肩を落とします。
そんな中、クラウドファンディングの存在を知り、旅行・アプリ会社の協力を得ながら直販に挑戦することに。「全国の人に茅ヶ崎の伊勢海老を届けられたら、うれしい」
サッカーに打ち込んだ青春時代、怪我を機に「船乗り」に
小田原出身の田中さんは、3歳から大学までサッカーに打ち込みました。プロサッカー選手を目指すも、怪我の連続で断念。そんな折に、友人の紹介で茅ヶ崎の釣り船に出合います。「最初は親が反対したけれど、船に乗ることが自分に合っていた。魚が獲れた時の達成感もいいよね」と日焼け顔で笑います。
茅ヶ崎の伊勢海老船は2艘のみ
伊勢海老の漁師として独立するには「漁業権」が必要ですが、茅ヶ崎で取得できるのは2艘のみ。そのため、一般消費者に出回る伊勢海老の数は少なく、非常に希少価値が高くなっています。
権利を獲得するにはハードルが高い中、田中さんはこれまで組合の一員として積極的に雑務を引き受けていた甲斐もあって、幸運にも残り1艘を任せてもらえるように。「タイミングが良かった」と終始にこやかに語ります。でも、「サッカーもやっていたし、負けん気は強いよ。そうじゃなきゃ、荒波や先輩の漁師さんにやられちゃう」と笑います。
刺し網漁、翌朝に新鮮な伊勢海老を水揚げ
田中さんは前日の夕方に、水深10mほどに「刺し網」を仕掛けて、翌早朝に引き揚げ。網には200g〜の伊勢海老が捕獲されます。
直接購入も可能です。大きさや値段などは、水揚げ量や季節で変動するため、田中さん【携帯電話】090・3109・9196へ問い合わせを。
「密漁、絶対にやめてほしい」
最後に、声を大にして訴えたいのは「密漁」について。転売目的やレジャー感覚で持ち帰るケースなど、被害が後を絶たないそうです。「漁師の権利や生活を守るためにも絶対にやめて欲しい」と力を込めます。
今後は市場や業者を介さずに、漁から販売までを一人でやっていくことが目標という田中さん。「ふるさと納税や道の駅にも参加して、いろいろ展開できたら。いつか水産会社も作りたいね」。新たな一歩を踏み出し、夢は膨らむばかりです。
クラウドファンディングの詳細はこちら
https://www.zenes.jp/projects/chigasaki-iseebi?utm_source=press_release