川崎市中原区の井田共和会第4町会の児童らが先月19日、犯罪が起こりやすい場所を自ら調べてまとめた「安全マップ」を作成した。多摩区登戸で児童らが殺傷された2019年の事件を教訓に、中原区が町内会と連携した初の試み。
児童4人とその保護者らは区の担当者から、不審人物の風貌や犯罪が起こりやすい危険な場所など被害に遭わないための対処法について学んだ。実際に地域を歩き、細い路地や駐車場にある死角など危険な場所に目を光らせた。
マップ作成にあたっては「悪い人がかくれたりしやすい」「ガードレールがないところはつれこまれるからあぶない」などと探索で実際に見聞きした内容を書き出した。参加した児童は「細い道や駐車場は周りから見えにくく、連れ込まれたら危ないところだと分かった」と話した。作成したマップは今月中に区ウェブサイトで公開する予定。
一昨年の登戸殺傷事件を受け「子ども達には自分自身で犯罪から身を守る力を身に付けてほしい」と区の担当者がこの企画を発案。区内75の町会に案内を行うも、新型コロナの影響から多くの町会が実施を見送った。そんな中で実施を決断した同町会の阿部照明さんは「子どもの防犯になればと思い、コロナ対策を講じて開催した。子どもたちが積極的に参加する姿が見られたのでやってよかった」と振り返った。
今月末には平間小学校の3年生を対象に実施予定。区担当者は「危険な場所を学ぶことは、子どもたちが自分自身で命を守ることにつながる。まずは町会を中心に取り組みを継続したい」としている。