正月疲れの胃腸に…2022年は「三浦半島産」の七草はいかが?

シェアする
神奈川県産・三浦七草会の表記が目印

みなさん、「春の七草」すべて言えますか―? セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ・・・と、知らずのうちに覚えていたかもしれません。1月7日の風習として根付いている「七草粥」。その七草、みなさんは毎年、どこで手に入れていますか?

7種類をまとめてパック詰めに

この7つをそれぞれ集めていくのは難しいもの。セリやスズシロ(大根)は手に入りやすいかもしれませんが、そもそも「ゴギョウ」「ハコベラ」など、道端で生えているものだっけ?とイメージがおぼつかない‶野菜″も。

そこで近年、重宝されているのが「七草パック」。スーパーなどで見かけるようになったかと思います。よーく見てみてください。「神奈川県産」「三浦七草会」と書かれていませんか?

そうなんです。三浦半島は七草の一大産地。7種類の野菜をパック用に栽培している農家があるのです。横須賀市と三浦市の市境近くにある3つの農家が参加している「三浦七草会」。地元の七草をブランド化させようと活動しています。

七草の由来をおさらい

そもそも、七草の風習はどのように伝えられてきたのでしょうか。

日本には古来からの「節句」の文化があります。‶五節句″の代表的なものは、3月3日の上巳(桃)の節句、5月5日は菖蒲(端午)の節句です。そして、年が明けてすぐの1月7日も「節句」があるのです。「人日」と言われ、古く中国では「人を占う日」とされていたとか。この日に、その年に取れた若菜を熱い吸い物にして食べる風習があったそう。

日本でも年の初めに、野に出て芽を出し始めた草を摘み取る「若菜摘み」があり、和歌にも残されています。これらが掛け合わされて、「1月7日に七草粥を食べて、一年の無病息災と五穀豊穣を祈る」―という「七草」の習わしが定着したと言われています。

今では、「年末年始に疲れた胃を休めて、青葉の少ない冬場に不足しがちな栄養素を補うという効能がある」ともされています。

七草を専用の畑で栽培

それではどのように「七草パック」を作っているのでしょうか。

三浦七草会に参加している横須賀市・三浦市の3つの農園では、9月ごろから七草用として7種類の栽培を始めています。三浦半島の野菜の代表格、緑に広がるキャベツ畑の合間のスペースで丁寧に育てています。雨に弱い品種もあり、畑に網を掛けたりと変色などにも気遣いながらだそう。

年末年始の販売に向けて収穫をするのですが、ただ7種類を集めればいいという訳ではなく、パックの大きさに合わせて成長の度合いを調整したり、一旦収穫したものを水耕栽培して新芽を出してから揃えたりと、ひと手間ふた手間かけて、ようやく商品として販売できる形になるんだとか。

2021年のお正月は約130万パックを販売。年々需要が増えつつあるそうです。

一旦収穫してから水耕で新芽を出す…という手間のかかる作業も

各農園では、臨時のアルバイトを雇って下準備や出荷作業に忙しい中、お正月を迎えます。12月下旬ごろから収穫したものを揃える作業に入り、ピークはパック詰めを行う2日ごろから数日。この短期アルバイトは地元では有名で、「学生時代にやったことがある」「年末年始のお小遣い稼ぎに」という人も少なくないようです。

収穫したものを同じ大きさに揃える作業が黙々と進みます

七草、どうやって食べる?

青菜を先に茹でておくと灰汁がぬけて苦みも和らぎます

古い慣習ではまな板の上で、草を叩いて刻む回数も決められていたとか。これに合わせたお囃子もあるようです。ひとくちに「七草」といっても歴史や文化など、実に奥深い…。

さて、ごくごくシンプルな「七草粥」ですが、先に白がゆを作っておき、さっと塩で湯がいた七草を軽く混ぜると色鮮やかに仕上がります。お正月に余ったお餅を入れるのもいいかも。

生産者の方によると、味噌汁に入れるという食べ方もあるとのこと。そのほかに、パスタやかき揚げ、といったレシピも。今年はぜひ「三浦半島産」を選んで、食してみてください!

ちなみに、七草のそれぞれの由来と効能も調べてみました

  • セリ(芹)……加熱をしても残るシャキシャキとした歯ごたえと、独特の香りが特徴。胃を丈夫にしたり、解熱、解毒の作用があるとされています。水辺で競い合って一カ所で生育するため「セリ」という名が付いたそう。
  • ナズナ(薺)……語源は撫でたいほどかわいい草花という意味の「撫菜(なでな)」。別名はぺんぺん草、三味線草。古くから邪気や万病を防ぐ薬草とされています。
  • ゴギョウ(御形)……正しくは「オギョウ」と読み、別名は母子草(ははこぐさ)。草餅がよもぎで作られる以前は、これを使って作られており、「母子餅(ははこもち)」と呼ばれていたそう。
  • ハコベラ(繁縷)……なでしこ科の1年草。今は「ハコベ」と呼ばれていますが、「ハコベラ」が古名。薬用植物でもあり、生薬名は「繁縷(はんろう)」。胃腸薬や湿疹などの皮膚炎の治療薬として用いられていたほか、塩を混ぜたものを「ハコベ塩」と呼び、歯槽膿漏の予防にも使われていたそう。
  • ホトケノザ(仏の座)……葉の形が仏の台座のように見えるというのが由来で、キク科の植物。正式な名称は「コウニタビラコ(小鬼田平子)」。今ではホトケノザ(仏の座)と言えばシソ科のサンガイグサ(三階草)を指すことが多いそうです。
  • スズナ(菘)……カブラ・カブラナと呼ばれる「蕪」のこと。この名称にはいくつかの由来があるようで、根(実)が錫で作った丸い楽器のようだから…など。葉や茎は食物繊維が豊富で、根はビタミンCが多く含まれています。
  • スズシロ(蘿蔔)……清々しく白いことから「スズシロ」という別名がついており、大根のこと。スズナ(蕪)とともに、古代から現代までずっと食べられてきた数少ない野菜。消化を助けるジアスターゼを多く含んでいます。

住所

神奈川県横須賀市

公開日:2022-01-01

関連タグ