NPO法人鎌倉ガイド協会(石渡孝二会長)は、創立30周年を記念し、市内に約80あるという石碑の清掃活動を1月から2月にかけて行っている。「市民だけでなく、大河ドラマなどで関心を持った観光客らにも石碑の歴史的価値を認識してもらえたら」と同会は活動に励む。
北条義時と源頼朝の墓も
鎌倉市内にある石碑は、明治期に鎌倉保勝会が、大正から昭和にかけては鎌倉町青年会、鎌倉町青年団、鎌倉市青年団、鎌倉同人会、鎌倉友青会によって建立された。中には、現在放送中の大河ドラマの主人公・北条義時と源頼朝の墓とされる法華堂跡(二階堂)や義時らが住んだとされる北条執権邸旧蹟(小町)などもある。
10年ぶりに石碑の清掃活動
野ざらしになっている石碑は、手入れをしなければ、苔や泥などで汚れていき、文字も読めなくなってしまう。そこで、日頃市内の史跡巡りなどのツアーを開催しているガイド協会では、創立30周年を記念し、10年ぶりに市内の石碑の清掃活動を実施することにした。
「大江広元邸址」(十二所)の石碑など
1月28日には、同会と鎌倉同人会のメンバーが集まり、大河ドラマで取り上げられる13人のうちの1人、大江広元の邸宅があったとされる「大江広元邸址」(十二所)の石碑などを掃除。メンバーは石碑をブラシなどで丁寧に水洗いをし、白いペイントが剥がれている部分には、補修をするなどしていった。
石碑巡り、コロナ禍でも密にならず楽しめる
同会では「石碑は先人たちが鎌倉の歴史理解の一助にと、資金を出し合って建てた貴重な歴史遺産」とし、「大河ドラマでさらに関心も高まる中、これから鎌倉の各地を訪れる人も増えるのでは」とメンバーの遠藤和延さん。また、清掃に参加した同人会の小林淳さんは「石碑巡りであれば、密にならず楽しめる。きれいになった石碑を喜んでもらえたら」と話していた。