NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に登場する重要人物、大庭景親。かつての所領、大庭にある宗賢院に「大庭景親が所蔵した」とも言われる茶釜が伝わる。
茶釜は鉄製、直径一尺八寸(54cm)ほど。形状から、筑前国で生産された芦屋釜という釜と考えられている。
大庭城址で掘り当て寄付へ
1895年に編集された「古社寺仏堂調査事項取調書」には「大庭城址で掘り当て、同院に寄付。年暦人名不詳。700年以前の物と言い伝え」と記載がある。腐食状態から室町時代、扇谷上杉氏居城時代のものとも想定されるが、江戸時代に編纂された「新編相模国風土記」にある「茶釜一口大庭三郎(景親)が陣釜なりと云々」の記録との関連性から、大庭氏所縁の品と伝わったようだ。
同院は1505年創建。所在地の谷戸の字は「隠里」といい、市によると、周辺には大庭氏の館があったともいう。
茶釜は同院にて保管されており、希望者は見学も可能。瀬戸良光住職は「詳しいことは不明だが、いずれにせよ地域の歴史を伝える品として今後も大切にしたい」と話した。
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