浮遊ゴミを自動で回収、海の救世主「Seabin」(シービン)の実力はいかに─

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海洋プラゴミ回収装置「Seabin」(シービン)の本体

24時間電動駆動「浦賀の海を守る」

 〝ポンポン船〟の愛称で親しまれている「浦賀の渡し船」東渡船所の横、プレジャーボートが係留されている浦賀ボートパークの桟橋に、浦賀湾に浮遊するプラスチックなどの海洋ゴミを回収する電動装置「Seabin」(シービン)が設置されています。

 首都圏で海やサステナブルをテーマにしたセレクトショップを展開している「Ethical&SEA」がクラウドファンディングで購入資金を集めて(総額179万1297円/246人が支援)昨年10月に取り付けたもので、同ボートパークの指定管理事者である公益財団法人マリンスポーツ財団と連携して運用を進めています。

シービンが設置されている浦賀ボートパーク

 このシービン、オーストラリアのサーファーが2014年に海のゴミ、特に海洋プラゴミの回収を目的に開発した機械です。39の国と地域で860台が導入(2021年3月現在)されており、国内では約20台設置されています。近隣では横浜・八景島シーパラダイスでも置かれています。

 では、どのような仕組みでゴミを回収するのか──。駆動は電動式。シービン内部のフロート部分が上下運動を繰り返すことで、水流を生み出し、直径50㎝の開口部に浮遊物を呼び込みます。海水と一緒に集まったゴミのみが内部に回収されるシンプルな原理。潮流にもよりますが、1日最大20㎏のゴミを集めることができるそうです。

 

産学連携で回収プラごみを分析

 浦賀湾では、ボードパークの管理者が2週間に一度のペースで内部のゴミの処理と回収を行っており、内容物を武蔵野大学工学部 環境システム学科の真名垣 聡准教授に宅配便で送り、分析を進めています。

海洋プラゴミの問題を視覚化する

 シービンは「海をキレイにする」という、そもそもの目的に加えて、海洋プラスチックごみの問題啓発や理解を広げるための環境学習教材にもなっています。

 海に漂うプラスチックは、紫外線や波の力で粉砕され、直径5ミリメートル以下のマイクロプラスチックに姿を変えます。これが海洋生物の体内に取り込まれと、生態系汚染を引き起こします。環境省の調べでは、世界では毎年800万トンものプラスチックゴミが海に流出しているとのことで、2050年には海中プラゴミの量が魚の量を越えてしまうと試算しています。

 こうした状況を知るためのツールとしての役割も期待されており、すでに地元の浦賀小学校の6年生が授業の一部に取り入れ、独自の学びを進めています。

住所

神奈川県横須賀市

公開日:2022-02-17

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