三浦市教育委員会は3月31日、文化財収蔵庫(初声町入江/初声小学校となり)で保管する「三浦の和船と建造用具(船大工道具)」の計459件2774点を市重要有形民俗文化財に指定した。これで市指定文化財は26件目で、有形民俗文化財は2020年3月に指定された「三浦の農耕(業)関係用具」に続く2件目となった。
和船は1966年まで、浜諸磯地区でアジ巻き網漁に使われていた3隻。全長約9m・幅約2mの小型木造漁船だが、時代の流れとともに強化プラスチック(FRP)製の漁船へと移り変わっていった。
明治から大正時代に漁師らによって趣味の飾り物として作られた模型や、松輪地区にあった1軒の船大工が使用していた建造・修繕用道具一式のほか、櫂や櫓、帆などの船上用具も指定された。
市民課の田中勉さんは「三浦における漁業活動を知るうえでとても希少な資料。今では見られなくなった木造の船などを通して、当時活躍した船大工の功績や営みを後世に伝えていきたい」と話した。
今回指定された文化財は、同収蔵庫に事前連絡すれば一般市民も見学できる。問い合わせは(046・888・3403)